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平凡な学生が、パリで大学院生になる①若手研究者海外挑戦プログラム
マニアック人文学系/語学は日本で独学と、自信はないが、
研究に対するやる気はある学生が、パリで大学院生になっている経験を活かし、情報をシェアしていきます。
今回は、学振が行っている若手研究者海外挑戦プログラムについてです。
1. 併給不可の学振DCでは、円安物価高の海外生活は厳しい…
海外挑戦プログラムのメリットとして、以下の2点が挙げられます。
①学位取得型が多い博士課程/博士後期課程向け奨学金の中で、交換留学/研究留学目的で申請できる
②(学振DC向け)学振DCの研究奨励金と併給できる
学振DCは基本的に、他の奨学金/助成金との併給を認めておらず、日本学生支援機構の協定派遣向け給付型奨学金や、大学が設定する研究留学向け給付型奨学金に申請できません。
「え、学振DCだけで生活できるっしょ?」と考えた、そこのあなた。一度、計算してみましょう。
研究奨励金の所得税控除を考えると、生活費に使うことのできる学振の月額は実質12万円ほど。
日本でならギリギリ耐えられますが、例えば私が生活しているパリで考えると…
1ユーロ=160円の場合、12万円は750ユーロ
・学生寮CROUSのシャワートイレ付個人部屋:約600€
・パリ市内の交通費 NAVIGO1ヶ月(2024/3現在):約87€
・平日は一日一食、CROUSのレストランで食べる:一食3€×21日=63€
=750€
土日の食事代が無くなりました。ここに、月々の通信費が更にかかってきます。(※通信費は研究外の用途も想定されるため、研究奨励金の所得税控除分に含めることは厳しく、交通費はDCの場合入れてはいけません)
このように、別段贅沢をしているわけでも、研究に関係ないことをしているわけでもないのに、学振DCとしていただいている研究奨励金だけでは、海外で生活するのは厳しい場合があります。
この観点から、併給可能な若手研究者海外挑戦プログラムは大変重宝するわけです。
2. 応募について
応募できるのは以下の人です。
①博士課程/博士後期課程の学生
②今までに長期で海外に行ったことがない人
私は学部生の時に、Campus France語学留学で2ヶ月ほどフランスに行った経験がありましたが、短期語学留学なので応募できました。
③1セメスターもしくは2セメスターの間、交換留学/研究留学を目的に渡航する人
学位取得目的の留学は申請できません。協定に基づく交換留学や研究指導委託は可能です
3. 申請書
同じ機関が募集しているプログラムということもあり、形式は学振DCの申請書とよく似ています。
書く量はDCと比較して少ないですが、短い受給期間かつ直近の渡航計画のため、より具体的な計画内容と明らかな動機が必要になります。
何でそこにいかなければならないのか、日本でできないのか、
渡航中に何をするのか、渡航中にしたことをどのように目に見える形に仕上げるのか、DCの申請書以上に明示する必要があります。
国費で、血税で、海外に遊びに行かせるわけにはいかないですからね。
おすすめはやはり、渡航先の大学あるいは研究機関の先生や研究者とあらかじめコンタクトを取り、誰と何をするのかを書けるようにしておくことだと思います。
以上、学振の若手研究者海外挑戦プログラムでした。
私が所属している某旧帝大では、あまりこのプログラムの知名度がなく、
所属の研究科では初の申請者でした。
しかし、パリで出会うDCの大学院生は多くが、取得しているあるいは知っているという感じでした。
倍率については、
最近採択率20%を基本的に割っているDCほど、厳しいものではないはずです。
申請可能かどうかは各々のここまでの渡航経験などに拠ると思いますが、
ぜひ一度検索してみてください。