ノア・バームバックの現実愛とは 映画「イカとクジラ」を見て。
この感じ、、知ってる、、!!!!
マリッジストーリーや!!
と思ったら、同じ監督ノア・バームバック監督作品でした。ちゃんと調べたら、この監督の作品見たやつ全部好きでした、結婚してください。
ウェスアンダーソンも製作でいるね!
製作だとどうなんでしょ?なんかいるだけでトキメきますな!!!!
イカとクジラは正直私が見たこの監督作品の中だと1番重かった。
ニューヨークが舞台、両親共に作家で、母親の方が今では成功してる。
長男は16歳で次男は12歳。ある日ついに両親から離婚の告白。
長男のジェシーアイゼンバーグの役がぴったりすぎて、笑
夫婦仲はもうずっと悪くて、改善の余地はない。
エゴ親父と、浮気おばさん。子供に愛があるのが救い。
子供たちも、自分は父派、母派って別れるけど、どっちについても、手の施しようのない親だから、どんどん自身の性格が拗れちゃう。さすがに長男の見栄と嘘、次男の飲酒と屈折したマスターベーションは笑った。笑
とにかく、めっちゃ自分の思春期思い出した。
特に、子供達の前で親が口論するシーン。うちは両親20歳で離婚してるけど、もう私が16歳くらいから別居したりしてて、関係が終わってるのは明白だったし、うちの場合は兄が問題児だったので、私が小学校くらいからよく口論のタネになってた。
もうほんとに、小学校のときは、次男坊みたいに、耳塞いでうわーん、ってなってた。でも中学校くらいから母の肩を持つ様になって、めっちゃ発言した。笑。ただ、思春期でも気づけば父と母にはそれぞれパートナーもいたし、兄ちゃん荒れてるから、家族の中では誰にも頼れないし、私はひとりぼっちなんだって思うような心細い夜は何度もあった。
だからといって、こんな私のバックボーンについて、胸をえぐって、ダメージを与えてくるわけでも無いのが、この監督の魅力。
確実に流れていく時間を登場人物越しに見せることで、現実への愛を連想させてくれる。
と思った。ややこしいかな。。
ニューヨーク、文化人、単純だった愛の関係が、時間が経って拗れてしまう、、変わっていく女と、昔に囚われて変わらない男。この辺りはノア氏の普遍的な作風かな?
アメリカだし、やっぱり家族の中でも個人個人に焦点が当たってる、マイヤーウィッツ家の人々でもしかり。家族って、大人になって、ひとりひとりを個人としてみれる様になってから、急に難しくなる。夫婦は、お互い同じ方向を見て、愛情の形をうまく変えていかないと男女の関係は破滅しちゃう。
ただ、こういう関係性が全部細かく描写されてて、観客的には、もう取り返しつかんやん。。。って思わせるのに、確実に流れていく時間と登場人物の内面を、些細な会話とか微妙な行動の描写で見せてくれることで、ほんとにちょっとだけでも、変わってくのかな?ってほ〜〜んのり登場人物の未来を想像させるし、こっちは期待もする。
作品を見始めた時には、決してハッピーエンドではないと思われていた選択も、この時間の流れを見ることで、登場人物の選択を"ハッピーエンドなんだ”と納得させてくれる魅力がある。
現実的描写の中で最大限に嘘っぽくない希望を見せてくれる
作品を通して自分の選択で出来上がった"今"に向き合っていて、
ノア氏は今の現実が好きな人なんだろうなぁと思う。
多分作中で、おかんは、イカとクジラの博物館の話は覚えてなかったんやろうなって思う。どっちともとれる表情してたけど、私は覚えてない派です。
最後長男が博物館に見に行ったのは、
「自分が先に進むしかない」って言う悟りなんですよ、、、。
直前の病室では、おとんの言うこと聞かないしね。意思の表れ。
母親にとって、自分が一番だったあの頃、博物館で見たイカとクジラはほんとにおっきいし怖かった。
でも、10年経ってみにいくと、思ってるよりちっさくて、作り物としてきっちり認識ができる。お母さんの支えがなくたって、夜も寝れる。
確実に時間は経って大人になっていってる、成長してる、だから、自分の意思と選択で生きていくしかない!ってちょっと悟るんよ。わかるんよ、、、、大人の始まり。受動から能動へ。こっからは長男が自分で選択することの始まり。少しずつでも、自分の人生が変えるんだと思って。生きてください。。絶対自分の人生好きになれる日がくると信じて。。頑張れ少年。。。
まーでも、イカとクジラは重いよ。。しんみり、、、
フランシス・ハ2回目見よう。