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やっぱり本はいい!

先日、久しぶりに本屋に行った。街中にある大きな本屋だ。

店に入って興奮した。本本本。本だ!

文庫本→ハードカバー(文学)→エッセイ→専門書→絵本→漫画→新書→文庫→料理本

店内をぐるぐるまわり、子どもの絵本も含めて10冊くらい購入した。それでも一万円くらい。

ずっと、本屋に来てなかった。普段はネットで買うし、電子書籍でも読む。便利。便利なんだけど物足りない。

まずリアルの本屋の何がいいかというと、大量の本が並んだ光景がいい。出版社や作家、ジャンル別に整頓されている光景は美しい。

あと当たり前だが実際に手に取ることができる。中身はもちろんデザイン、手触り、ページをめくる音。それも含めて本を探す楽しみだ。

ふらふら歩いて思いがけず面白い本を見つけるのもワクワクするし、普段は自分が全く読まないジャンルの専門書(物理とか建築とか金融とか)のコーナーにいる人たちを観察するのも面白い。

地方の街に行くと本屋がないのが残念だ。どんどん潰れるし、やたら広くても雑貨と漫画だけ多かったり。漫画も好きでよく読むけれど一緒に文学や専門書も置いてほしい。まあ需要がないんだろうな。

私が生まれ育った地方都市には大きな本屋が市の中心部にしかなく、2階分のフロアしかなかった。自宅からバス、しかも一日に何本もない、でしか行けない。その店に行くのが楽しみだった。大学進学のため上京して、初めて大型書店に行ったときに「負けた」と思った。ビルが丸ごと本屋ってすごいし、しかも地下鉄や電車で気軽に行ける。圧倒的に東京が豊かに見えた。そういう大型書店にすぐ行ける東京育ちの同級生が羨ましかったし、それが当たり前すぎて何とも思ってないあたりも田舎から出てきた私にはカッコよく見えた。

本ばかり読んでいて親戚でもクラスでも「ちょっと変な子」扱いだったが、大学に行ったら周りが本好きな人ばかりで、しかも読書量も文学の知識もすごくて、もう「読書が好きです」とは恥ずかしくて言えなくなった。いまではすっかりアラフォーの子持ちになってじっくり本を読む時間も減った。けれど、先日の書店で、今でも自分の中に「田舎の本好きな女の子」がいることに気づいた。

親の勝手な願いとしては、いまはまだ幼い子どもも大きくなったらたくさん本を読んでほしい。効率や知識や常識やマナー(どれも大事だとは思うけど)を追いかける本というより、小説や随筆を読んでほしい。一回読んで、ハマって、飽きて別の作家やジャンルに移り、何年かして「再会」して再度ハマるとか、いいね。

すぐに役に立たないし、分かりにくいし、全くお金にならないけど、大好きな小説やボロボロになるまで読み込んだ随筆があると、人生がほんの少しだけ生きやすくなる。そういう本が枕元に置いてあるだけでも、読まなくても、触るだけで安心するときがある。(根暗!笑)

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