それでも、響き合おう|今日も京とて、お番茶日和(1/19)
1月19日(火)
あっという間だ。2021年になったもう20日が過ぎようとしている。
2020年は実際に地球の自転が早まっていた、という記事を読んだけど、本当かしら。
毎週火曜の夜は、カラスマ大学のスタッフミーティングと決めている。こうも寒くてさらに緊急事態宣言下だとあっては、今日はもう誰も来ないんだろう。お番茶飲みながら学長日記を更新したら、24日の授業準備を少しして、私も早く帰るとしましょう。
年始のあいさつをしそびれましたが、寒中お見舞い申し上げます。NPO法人「京都カラスマ大学」学長の高橋マキです。この日記の趣旨は初日の日記に書いているので、合わせて読んでもらえたらうれしいです。
さて、今日の課題。
「それでも、響き合おう」
京都カラスマ大学にはキャンパスがありません。でも、小さな事務所はあります。5年前から入居しているのは、西本願寺の門前町に位置する民家を改装した「SOLUM」というシェアオフィスの1階。表のカフェとは壁なし、本棚を隔てて繋がっている、たった3畳分の小さなスペースです。
あまり知られていませんが、内装デザインは、東野唯史さん。そう、諏訪市の「ReBilding Center Japan」の人。
小さな民家を小分けにしてカフェや事務所、アトリエなど8組で賃貸している物件で、2階にシェアスペースとしての共同キッチンがあります。でも、みんなお昼を外に食べに出たりして、キッチンの稼働率が低すぎてもったいない。私が勝手に集めた食器や調理器具を置いて、月イチ開催の「放課後食堂」をしてみたり、最近では週イチの会議の日にもおにぎりを握って、たいてい仕事終わりでやってくるスタッフのみんなを迎えるようになりました。
でも、他の部屋のメンバーは歴代、それぞれに愛妻弁当を持ってきていたり、気分転換に外に食べに出たりするので、これまであまり台所を使っていない様子……。ところが最近時々、冷蔵庫にネギが突っ込んであったり、焦がしたホーロー鍋(笑)がシンクに浸してあったりして、誰かが料理をしている気配。
「そうなんです!マキさん、僕たち、お昼を自炊するようになったんですよ!」
犯人、もとい、料理人は、お隣の部屋「mondo」のデザイナー・とねさん。「そしたらね、体調がむちゃくちゃいいんです。体がスッキリとして軽い気もするし」。私がおにぎりとお味噌汁を気まぐれ&おせっかい(笑)に与え続けている間に、彼の中に変化が生じた様子。
「しかも、ぼくらもね、ペットボトル飲むの辞めたんですよ。自炊すると、ゴミが出なくていいですねー」。
そうなの、そうなの。自分のためにやったことが地球のためになるの、気持ちいいよね!
「自炊する」「ペットボトル減らす」「ゴミが減る」「体調がいい」どれもいい連鎖。私自身がそうしてる、とは言ったことがあるけど、とねさんに積極的に勧めたことは多分ない。でも、影響されてくれた。一緒に生活するって、つまりこういうことなんだな、とうれしく思った瞬間。私がソルムにいる時間はとても気まぐれで短くて、偏っているのだけれど、これが「同じ釜の飯を食う」ってことだ!と膝を打つ。
緊急事態宣言だなんてことになって、ついつい他人との付き合い方を難しく考えてしまいそうになるけれど、人生なにごとも「お互いさま」。ウイルス感染の可能性をできるだけ低く保ちながら、それでも誰かと影響しあって生きていくことを忘れたり、おそれたりしてしまいたくはない。そんな風に思うのです。
「この街が、キャンパスです。」というとてもすばらしいコピーは、シブヤ大学姉妹校9校がみんな共通して使っているものだけれど、それ以前に大分県日田市にあったという「自由の森大学」について、2001年、当時学長の筑紫哲也さん(ジャーナリスト)がこう言っている。
何度も言っていることなんですが、市民大学はGDP(国内総生産)にはほとんど貢献しない。「自由の森」では年2回、特別講座を行っているんですが、そのときは全国から受講生がやってきて町の旅館が全部電気がつくんですよ。そういうときだけ地域の経済に貢献しているのかなと、半分冗談で言うんですが、実際はもう少しふくらみはあると思いますが…。そのことが実は目的ではなくて、元々は商店街をもっと活性化させたいということが動機で始まったんですが、それはどこかにすっ飛んでしまって今や近隣の若者たちが支えてくれています。大事なのは精神の作興・奮い起こしみたいなことで、つまり自分たちの生き方についてちゃんと考えたり、自分たちの生き方に誇りを持てるということだと思います。九州一円で、最近は「日田は元気ですね」と僕も他の人たちも言われるわけです。元気といっても特別なことをやっているわけではないんだけど、精神の活性化、心の活性化にはなったかなと思います。それが一番大きなことかなと、あとは個人個人がそれを受けてどう生きるかということですね。(八重山暮らしの便利サイト|やいまタイムより抜粋)
「それはどこかにすっ飛んでしまって」というのが、いい。つまりは「個人個人がそれを受けてどう生きるか」。わたしたちがやっていることは全くその通りで、「イベントで5,000人集めました」ということではなく、「だから、自炊始めたよ」という、とても小さな小さな変革なのです。「だから」の先は、私たちの手柄でもなんでもないのです。
◎
京都カラスマ大学に関わる個々の中から生まれた問いを、少人数で一緒に学ぶゼミのスタート。ゼミ長は、「東京ひとり分校便り」でおなじみの、くまちゃんです。今は東京にいる彼女がずっとスマ大スタッフでいてくれるのはうれしいし、今回こうして「zoomだからできる」ことに挑戦してくれるのも、とてもたのもしい。
2021年最初の京都カラスマ大学は、オンライン授業に挑戦します。
ゼミのテーマは、「ふつうって、なんだろう?」
開催は1/24(日)14時〜。お申し込みは、こちらから。非公開形オンライン授業なので、安心してどなたでも参加できます。
たった8人の少人数、たった1時間のオンライン授業です。それでも、オンラインで繋がりあった他人同士の気持ちにさざ波が立って、ほんの少し刺激し合い、影響しあって、昨日より明日のほうが自分の生き方に誇りをもてるようになればうれしいな。と思います。
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【京都カラスマ大学からのお願い】
無償のボランティアには限界があります。どうかみなさんで少しずつ、京都カラスマ大学の活動を支援してください。寄付の方法は3つです。
◆「つながる募金」 ソフトバンクの携帯代と一緒に支払えます
◆「SUZURI」 カラスマ大学オリジナルグッズを選んでください
◆振り込み:特定非営利活動法人 京都カラスマ大学
【京都銀行】下鳥羽支店 普通口座3141273
【ゆうちょ銀行】中京支店(099)00970-2-195417 当座019541
企業からの年間支援も受け付けています。もっと詳しく知りたいという方は、支援サポートのページをご覧ください。どうぞよろしくお願いします。