M子の物語<準備>
↑前回までのストーリー
こうして、M子はプレイバックシアター・ラボ主催の
アーツベースド・ファシリテーター養成講座に参加することになった。
講師の八螺子とユーリーは、道なき道を自分で開拓してきた方々で、
M子が人生で接したことのない大阪・西成区の生活保護のおっちゃんや、
アルコール依存症の方たちにワークショップを長年やられてきたという。
M子は、急に不安になる。
自分の器の小ささ、経験の無さ。
急に自分が小さな鳥かごの中で、同質の人たちだけに囲まれて育ったやわな存在に感じた。
・ ・ ・
受講生は様々なバックグラウンド、
経験を持ったメンバーが集まっていた。
M子と同様、ドラマセラピストを目指す宇ノ智と
偶然ここで出会えたことは嬉しい驚きだった。
プレイバックシアターや音楽をしているHikari。
落語や朗読をしている蛙。
フォーラムシアターや合気道をバックボーンに持つT。
「ファシリテーターとして、必要以上に引き出さない」
「セラピーの場では、ベストは尽くすが、安心安全なんて保障できない。
自分の身は自分で守れるようになることを目指す」
「人との関わりにおいて、どんな声で関わるのか重要。
大抵の人は声に注目していないようだ。
コミュニケーションにおいて内容の方が重視される。
判断*は声でしている。からだが変わると声が変わるので、
大事に思っている。」
(*判断:ほんまのこと言っているのかなあ?などと思った時の判断材料。)
M子は二人の師から、多くの智慧を伝授されていく。
そして、仲間からもインスパイアされる。
以下は彼らのジャーナルの一部である。
年明けから始まった講座は、あっという間に2か月が経過し、
いよいよM子主催のワークショップ開催日が近づいていた…
(つづく…)
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