内なる声・内なる音 -Som interno-
ブラジルでプロミュージシャンとして活動していたときに、私の音楽や人生そのものに多大な影響を与えた恩師がいる。
彼女の名前は、シルビア。
彼女はピアニストであり、アレンジャーであり、作曲家であり、教育者である私が最も尊敬する人間の1人です。
彼女に出会ってなかったら、私は今でも楽譜を見ながら演奏し、作曲なんて特別な人がやるものだと思い、私の中に音楽なんてないもんだって信じていたと思う。もしかしたらもう音楽もやっていなかったかもしれない。
今年になって久しぶりに彼女のレッスンを再び受講。9月まではハーモナイゼーショ、10月からは内なる音(internal sounds)。
このレッスンのタイトルも内側だし、最近、『自分と向き合う』とか、『自分の内側に響いている音を聞く』とかを頻繁に自分で言ったり聞いたりしてるのも偶然にしては多すぎるなぁって感じてたり、、今だから落ち着いて彼女の話す一言一言を吸収できてるかもなと思い、今日のレッスンをまとめてみたいと思いました。
2024年11月6日
テーマ【聴く】:内なる音を聴くことの重要性
『要約』
外からの情報だけでなく、内なる声を聴くことが重要。
集中し、リラックスすることで、音楽をより深く感じ取る力が育まれる。
知識や情報(外)と内なる声のバランスが、音楽との、自分との真のつながりを生む鍵。
目次
1. 内なる音を聴くことの重要性
2. アテンションとリラックス
3. 知識と感覚のバランス
1. 内なる音を聴くことの重要性
人生が始まるとき、私たちは人生を学ぶための学校に入ってから生き始めるのでしょうか?音楽も同じです。外からの情報を全て得てからでなければ音楽は演奏できないのでしょうか?
いいえ、私たちには生きる力が備わっており、学びながら生きていきます。同じように、音楽の世界でも音を感じ取りながら、演奏し楽しむ力があります。私たちには2つの耳があり、音は自然と私たちの内部に入ってきます。
現代では、AIや学校、音楽の本がすべてを説明してくれます。だから、自分も完璧に説明をしなければ何もわかっていないような気持ちになってしまう。しかし、私たちは完璧に装わないと外出できないわけでも、生きられないわけではありません。音楽も同じです。知識や情報だけに偏らず、自分自身の内側に響いている音を感じ取る力がより重要です。それは才能や天性ではなく、外から与えられるものでもありません。自分自身で鍛えることで培われるものです。
2. アテンションとリラックス
私たちには「聴く」能力が備わっていますが、ただ聞き流すのとしっかり聞くのとでは大きな違いがあります。聴く力を高めるには「アテンション」が重要で、どれだけ注意を向けられるかが鍵となります。
Atenção - Tensão
Attention - tension
同じ語源を持つこの2つの言葉は、全く異なる意味を持ちます。
リラックスしていないと、アテンションは「テンション」になり、音を深く聴き取ることが難しくなります。リラックスした状態でアテンションを保つことで、より深く音を感じ取ることができるのです。
3. 知識と感覚のバランス
私たちは音楽を聴くとき、自分自身の耳を使って感じ取るべきです。楽譜や知識といった外的要素に頼りすぎると、自分の内側に響いている音を感じ取る力が薄れてしまいます。楽譜を見て演奏しているときは視覚を使っているだけで、聴覚を使っているわけではありません。まずはリラックスしてじっくり聴くことから始めましょう。
【今日のキーセンテンス】
Quando você atenta no som você imediatamente tem uma conexão com som interno”
「音に集中して耳を傾けると、すぐに自分の内側に響く音とつながり、音楽をより深く感じ取ることができる」
“Mais difícil é aceitar que dentro pra fora não é fora pra dentro”
「難しいのは、外から内へではなく、内から外へ向かうという事実を受け入れることだ」
→自分の内面が外側に影響を与える。とかく外側を固めること(外部にある知識を習得したり情報多く仕入れるなどの行為)で、自分が内面的にも成長するように錯覚しがちだが、本来は自分の内側を見つめ、知ることで、外側に向けてさらに飛躍できる。内側から外に向かっているんだと言う方向性を認めて、それを受け入れて行動することは意外と難しい。
“O equilíbrio entre o interno e o externo é a melhor solução. Quando você dá menos atenção ao seu mundo interno, pode causar
「内と外のバランスを取ることが最良の解決策である。内側の世界をないがしろにすると、うつや落ち込みを引き起こすことがある」
→内外のバランスがとれたときにこそ音楽は本来の力を発揮する。自己の内面を無視して外部の情報にばかり注目すると、心のバランスを崩し、結果的に自分自身に自信を失い、精神的な不調に繋がる可能性もある。