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【ドーピング禁止物質】話題の「メタンジエノン」の特徴・構造を解説



1,メタンジエノンはドーピング禁止物質!どこに明記されている?

毎年1月1日に、日本では公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構が、その年の禁止薬物や禁止使用方法を改定・公表します。

2025禁止表国際基準の表紙
https://www.playtruejapan.org/entry_img/2025_prohibited_List_jpn.pdf
(引用元:公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構HP 2025,02,24)

「メタンジエノン」は、この冊子の6ページに記載されています。

2025禁止表国際基準 p6
https://www.playtruejapan.org/entry_img/2025_prohibited_List_jpn.pdf
(引用元:公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構HP 2025,02,24)

2,蛋白同化男性化ステロイド薬(AAS)とは

メタンジエノンは「蛋白同化男性化ステロイド薬(anabolic androgenic steroids:AAS)に分類されます。
この物質の主な効果は、「男性化作用」と「たんぱく同化作用」の2つ。
特に、「たんぱく同化作用」は、筋肉量や骨量の増加、造血能(血を産生する能力)を増強します。

蛋白同化男性化ステロイド薬(AAS)の主な作用

また、「常に禁止される物質」に指定されていることも、2ページの目次から確認できます。
「常に禁止される物質」は、競技会(大会)への参加時のみならず、非参加時の日常生活においても使用を禁止されている物質です。

メタンジエノンは「常に禁止される物質」に分類
2025禁止表国際基準 p2 
https://www.playtruejapan.org/entry_img/2025_prohibited_List_jpn.pdf
(引用元:公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構HP 2025,02,24)

3,メタンジエノンの構造

メタンジエノンは、大まかにみると、「六角形3つ」と「五角形1つ」を持つ「ステロイド」という構造を取っています。
炭素を多く含み、その他には水素、酸素を有しています。

メタンジエノン

メタンジエノンは、テストステロンに似た構造をしています。
テストステロンは男性ホルモンです。
メタンジエンは偽のテストステロンとして体内で作用するため、男性化作用やたんぱく同化作用をもたらしていると言われています。

このように構造を基に薬物の効果を推測することができます。

テストステロン

4,メタンジエノンのの立体模型を作ってみた

メタンジエノンの立体構造を模型で作ってみました。
今回使用したのは、HGSの分子構造模型C型セット。

黒玉は炭素、白玉は水素、赤玉は酸素を表します。
白い棒は単結合、青い曲棒は二重結合を表します。
二重結合は単結合よりも少し短い結合です。
これらの結合は、炭素や水素、酸素同士を繋ぐ働きをしています。
また、模型からステロイド骨格を確認できます。

メタンジエノンの立体模型

5,まとめ

今回は、話題のドーピング禁止物質「メタンジエノン」の特徴や構造をまとめてみました。
化学構造は、その物質の性質を知るのにとても有益な情報です。

メタンジエノンってどんな形をしているの?と思っていた方々の参考になれば幸いです。

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