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【毎週ショートショートnote】アメリカ製保健室
たらはかにさんの毎週ショートショートnoteに参加します。
「今期から保健室はアメリカせいになりまーす」って先生が笑ってたけど、あれどういう意味だろう? 金髪のお姉さんでもいるのかな?
好奇心に勝てず、すりきずをいいことに健太は保健室のドアをあけた。
……誰もいない。
『なんだ』
絆創膏でも貰うか、と引き出しに手を伸ばした、そのとき――。
チクッ。
何かが指をさした。
蜘蛛だ。……蜘蛛?
大変だ!!
『アメリカ』で『蜘蛛』ときたら、ヒーローになる布石じゃないか!
苛酷な人生は嫌だ。僕はのんびり暮らしたいんだ。
急いで外に出ようとして、カツンとイスに足をぶつけてしまう。
ひぃ!!
こんな物音を立てたら、何が起こるか分からない。
だってアメリカ人が作った保健室だぞ?
いつゾンビや宇宙人に襲われるか分からない。
いつ窓から銃弾やフライングシャークや鋼鉄社長が飛び込んでくるか分からない。
健太はしゃがみこみブルブル震えた。
とんとん、と担任の先生に肩を叩かれる。
「どうした健太? 今期からアメリカ制保健室になったと話したじゃないか。保健医は常駐してないよ」
……アメリカ製保健室ってそんな意味だったのか。SHIT!!