ワールズエンドクラブ感想(様々な作品のネタバレあり)
こちらはネタバレありの雑感です。全体的なこと、バニラに関すること、雪に関することをとりあえず書きました。ワールズエンドクラブ以外のゲームについてもネタバレがあるのでご注意ください。(都度警告します。)
◎全体
・謎の分散のさせ方が非常に巧妙だったと思う。すべての謎を知っていたキャラが仲間の中にいなかったことがよかった、と言い換えてもいい。バニラはポチ・れいちょ・雪ちゃんの正体を知らなかったし、自分の本当の真実も知らなかった。ポチもゆきちゃんの正体は知らず、バニラの本当の真実を知らなかった。雪ちゃんは世界の中のことはほとんど知っていたはずだが、異界人の存在は認知していなかったか、少なくとも更新はできていなかった。そのおかげで、一つの謎が明らかになってもドミノ倒しで他の謎が明らかにならずに済んでいたと思う。
・やっぱりエンディングが最高に良い。
初めて明かされる二番で各人のソロパートがあるのも良いし、各キャラの能力とパーソナリティの関係が見えてくるのも良い。そして何よりも素晴らしいのは、各キャラの名前を歌い上げるパートに「君も…!」と入っていること。異界人として冒険を手伝わせてもらったプレイヤーに対する最大のご褒美と言って良いだろう。ガンバレ組のメンバーと友達になれるのは、これ以上ない名誉だった。
(以下ダンガンロンパシリーズのネタバレ注意)
思えば、ダンガンロンパの登場人物とは、ついに友達になれなかった。もちろん、傍観者として、壁としての楽しみ方というものも私は知っているつもりである。しかし、それ以前に、ダンガンロンパにおいて我々は、デスゲームを楽しみにしている悪趣味な観客であった。V3においてそれははっきりと突きつけられ、プレイヤーは最原たちの、もっと言えば苗木誠から続くすべてのダンガンロンパキャラの敵であることを自覚させられる。キーボの介入、その後のキャラクターの操作によってプレイヤーは最原たちの協力者としての地位を獲得するものの、最原たちに罪悪感を感じずにはいられないだろう。
翻ってWECにおいては、我々は「異界人」という「謎の力でキャラクターを助ける存在」としてゲームに参加させてもらえる。そしてダンガンロンパの主人公と同じ人物が声を当てるポチから、「永遠不滅の友達」として認定してもらえる。「この世界が終わっても(このゲームが終わっても)」僕たちは友達だと認めてもらえるのだ。ゲームプレイヤーにとって、これほど嬉しいことがあるだろうか。今我々はようやく、ゲームのキャラクターの幸せを願い、その助けをすると言う本来の関係性に戻ることができたのだ。
この意味で、WECはキャラクター同士の関係修復の物語であるだけでなく、ゲームキャラクターと我々プレイヤーの関係修復の物語でもあるのだ。
(ダンガンロンパシリーズのネタバレここまで)
◎バニラ
・優秀すぎるという意見もあるが、別にいいんじゃない?と思っている。小学生特有の全能感を味わわせるための演出ってことで。むしろ賢いシーンと小学生らしいシーンのギャップも彼女の魅力と言えるだろう。鹿児島ではかなりのボケっぷりを発揮するが、デスゲーム編や最終決戦などではかなり冴えたところを見せる(と言うか7:3くらいで冴えている方が多い気がする)
欲を言えば、バニラ操作パートも欲しかったかな。幽体離脱なんか、すごくパズルむきの特殊能力だと思うし。
・兄貴との関係性
とても良い。誰かの死をきっかけに少年グループがギクシャクするのも、そのグループが絆を取り戻していくのも、別に目新しいとかではないんだけど、王道の見たいものが見られるストーリーだった。意表をついているとすれば、やはり序盤から複数人に幽霊が認識されているということだろう。(さらにそのことがより大きな謎=れいちょ・ポチの正体(雪も?)へと繋がっているのも巧妙。)
・その正体や謎
筆者はバニラが幽霊だということは、本人が宣言するまで全く気づきませんでした。前述の通り、3人に普通に見えてたし。でも、鹿児島をやり直したら、ポチ・バニラ・モーちゃんの会話シーンで、ポチがバニラに返事をしている箇所では全部モーちゃんが「???」と返していた。
デスゲームの首謀者なのはまあ察してた。不自然に生き残ってたので。
名古屋で映像を見たときは、もしや同行しているバニラは偽物?と心配になったがそういう鬱展開じゃなくてよかった。
◎雪
・全てを知っていた可能性があるけど、「明らかに何かを知っています」という、まどマギのほむらちゃんのようなキャラとは真逆だったので、その点もよかった。
(以下下ネタ注意)
・下ネタは賛否あるらしいが、私は好きだ。まず、フロイトの言うところの「男根期」に留まっているのが良い。小学校の時にこう言うネタ言う人いたなー、って感じ。(女の子は言ってなかった気がするので、そこはオタクの妄想と叩かれても仕方がない。)これでいわゆる性的なネタ、性行為に関するネタがあったら「小学生らしくない!」とぶちぎれて評価はガタ落ちになっていたかもしれないので、これでも良い塩梅だったんじゃないかと思っている。(グレーゾーンだったのは、「関西さんの、太くて立派な…」の件。そもそも小学生は「太くて立派」なことの意味もよくわからないのでは?単純に大人たちからタブーとされているワードを唐突に言うのが面白かったんだと思うので、その辺はよく注意したい。)
(下ネタここまで)
取りあえず、今まとまっているのはここまでです。
今後は、各面の感想とか、1995年(1996年)に「地震と教団」が出てくるという設定とか、その辺りを書いていきたいです。あと、今回触れなかったキャラたちのことも。
多分読みにくい文章になっているかと思うのですが、ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。