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”利き足派”の自主練、やっててよかった練習は何?〔少年サッカー〕

少年サッカーを楽しむパパコーチ体験記の第6弾!
(開始から6週目! なんとか週刊ペースで続けたい)

前回、育成のシーンでだれもが一度は悩むテーマ、利き足重視、両足重視について書きました。

その翌日、Xでたまたま「利き足、両足のどっちを重視するか」についてのポストがあったので見てみると、なんとなく両足派が7:3で多そうな印象でした。(ざっくり目視確認)

今日は、そんな少数派である”利き足重視派”のための練習紹介です。

前回の記事でも書きましたが、
利き足重視派といっても、ショートパスとコントロールは両足が必須。
ですので、利き足中心の練習メニューとして紹介するのは、ドリブルとシュートです。

自分で書いていてなんですが、これを見ると、利き足派というよりも、”やや利き足派"ぐらいの感じですね。
「1.あきらかに利き足派/2.やや利き足派/3.どちらともいえない/4.やや両足派/5.あきらかに両足派」の五段階のアンケートでは「2」です。

両足派の方は、これを両足でやれば、ばっちりです。(何が?) 


ここでも、練習メニューを選んだ基準は、プレー強度と守備戦術レベルが高まったジュニアユースのサッカーの中で活躍するのに役立っているか、という基準(さらにユースでも役立ちそうか)です。
この基準については、こちらの記事にもう少し詳しく書いてます)

 フレンキー・デ・ヨンクは、僕が大好きな選手。長男はそうでもなさそう

6 タッチ・ドリブル

これは、U6~11で実施していました。
なんとなくの形はすぐにできるのですが、僕なりの「こだわりの部分」ができなくて、U11まで時々やっていました。

グラウンドに、ディフェンダーとその足に見立てた、ミニコーンを置いて、その足を避けるように、V字で6タッチのドリブルをします。
6タッチ×10回で、所要時間は2分程度。
6つのタッチは図を参照。

  • タッチ1、2のダブルタッチは、カニのように横に動くのではなく、1で右足でボールを、左斜め後ろにはじく。(そのときに、左足は浮いている)2の左足のインサイドのタッチで、左斜め前に押し出す。ボールがV字に動くことが大切です。

  • 3はアウトサイドでボールを止めるのですが、2から3の流れで、余分なステップを入れないようにします。3の右足アウトサイドの切り替えしを、できるだけ足をボールに直線的に出しながら止められるようになると、小さな動作でボールを止められるようになり、高速ドリブルからでもボールを止めやすくなります。

  • 4、5は、イメージとしては、サイドステップを踏みながらのエラシコのようなイメージです。(左足を動かすので、エラシコではない)その後、6でボールをはじめの位置にインサイドで止めます。

  • 試合でもよく使う基本のターンなので、顔を上げて、ボールを間接視野で見ながらできるレベルまでは続けた方がよい、と思って練習しました。
    できれば、顔を上げて相手が見えると、勝手に身体が動く自動防御のレベルまで修行して欲しかった(武道の達人?)

  • 動きを、できるだけ大きくボールを動かすパターン、速く動かすパターンと変化をつけて練習していました。それによって、試合中のいろんな状況に対する対応力が上がると思います。

  • ここからは「こだわりポイント」です。
    これは、長男もU11になっても、僕が満足できるレベルではできなかったので、そこまでこだわらなくてもよいかも知れません。(誰の満足?)

  • 「こだわりポイント」ですが、1のタッチを、自分の腰の正面向きより少しでも後ろ(身体の重心より後ろ)に出すように意識していました。ダブルタッチはファーストタッチを真横でなく後ろ目に出せると、相手の足に引っ掛かりにくくなると思います。(体験談)

  • 同様に、4のタッチも、真横より少しでもナナメ後ろにするように意識していました。


ドリブラーといえば、この人

ドリブルで大切なのは、スペースに運べること、そして、取られないことだと思います!(断言)

なので、僕は、ミスなく高速のドリブルできる練習(紹介済み)と、
相手の足の届かないコースにボールを運べる練習が重要だとおもっていました。

三苫選手が、高く評価されているのは、一対一の場面で仕掛けると、5割ぐらいの確率で抜けるからです。逆にいうと、高いレベルのサッカーで抜き切るのは、それぐらい難しく、稀なスキルだということです。

小学生の時は、笊のようだったディフェンスも、ジュニアユース、ユースにカテゴリーが上がると、次第にブロックのように固くなります。身体能力とディフェンス・スキルが上がってくるからです。
なので、抜くためには、トップクラスのスピードが必要になります。(一度逆をとってもスピードがないと、追いつかれてしまう)
興国の内野元監督は、二冊出している書籍のどちらかで「50m走が5秒台でないとドリブラーはきびしい」と書いていました。(うろ覚え。でも間違えてないはず)

今回、紹介したのは、相手の足に引っ掛からないように、足が届かないルートでターンをする練習です。

フットサルの切り替えしで、足裏でボールを止める切り返しがありますが、それと同じように、①その場でボールを止める、②自分の体制を整えつつ180°ターンする、の2タッチで切り返すと、たとえ抜けなくてもボールを取られるリスクはほとんどなくなります。

取られないターンができるようになった上で、次の段階として、相手の矢印の向きと間合いを見て、切り返しの角度を調整し、一発で相手の身体の裏側に抜け出すチャレンジができるようになればよいと思います。

長男の育成時は、まずドリブルは、マークをはがしてパスかシュートにつなげるもの。抜くことありきではないというスタンスでした。
(当時は、FWだったので突破のドリブルも練習しましたが)

ジュニアユースの今、振り返って「やっててよかった」と思うのは、プレスがきつくても、ボールが取られにくいようになったという点です。
以前も書きましたが、ジュニアとジュニアユースの一番の違いは、プレスの強度です。
相手のハイプレスにはまって中盤より後ろでボールロストすると、失点の可能性が高くなります。当然ながら、危険な位置でボールロストする選手は、チームとして選びにくくなります。

もちろん、相手ゴール前は別です。
サッカーではコートを横に三分割して考えることが多いですが、「相手ゴール近くの三分の一のエリア」では、得点を取るために、たとえボールを失うリスクが大きくともチャレンジすることが必要です。
逆にいうと、FWでも「相手ゴール近くの三分の一のエリア」以外では、ロストしないプレーを選択すべきだし、CBでも「相手ゴール近くの三分の一のエリア」では、一か八かのチャレンジをしてもよいと思います。
ハーランドも中盤では簡単に味方に預けますよね。

〔ステップアップ〕6タッチ・ドリブル・バックサイド

U10ごろからは、バックサイド・ターンも練習するようになりました。
プレスがきつくなっても、ボールを失わないターンを身に着けるためです。

ターンのステップ自体は、フロントよりも簡単ですが、こちらは相手ゴールに背を向けているので、自分の背後を確認する必要があります。
なので、タッチの合間に顔を上げて首を振り、背後を確認するのが少し難しい。(図のルックアップと書いているタイミング)

久保選手が日本代表の練習で紹介して動画で話題になった、ベルナルド・シルバ理論のようなイメージです。

この練習当時、長男は「前向きの方が、次のプレーがしやすい」と言っていました。(そりゃそうだ)
その時は、現バルセロナ監督のシャビ・エルナンデスや、メッシやデヨンクのターン動画を見せて、「ディフェンスに間合いを詰められた時は、プロでも後ろ向きにターンして、ボールを失わないことを優先しているよ。状況によってどっちもできるようにした方がいい」と説明していました。

当時の長男はあまり納得はしていなかったのかもしれませんが、長男の視野がそれなりに広くなったのは、「ボールを持ちながら背後を見る」この練習のおかげ(つまり僕のおかげ)ではないかと、思っています。(おおいばり)

ジュニアユースで後ろ目にコンバートされたのですが、パスの出し手になるポジションであれば、ボールをほとんど失わないバックサイド・ターンは絶対にできた方がよい、と思います。
自分がボールを持っても、味方がよいポジションを取れていない時、パスコースが切られている時は、ポジションを取り直したり、パスコースを作り直したりするための時間を、ターンで稼ぐ必要があります。

フロントサイドもバックサイドも、ある程度自動的にできるようになれば、ステップを増やしたり、カラ踏みを入れたりしてアレンジしてターンの練習をしていました。

Yogendra SinghによるPixabayからの画像

0-100シュート

これは、U6~10で実施していました。
楽しいシュート練習です。
所要時間は7分。ボール拾いに時間がかかります。

グラウンドに、ディフェンダーとその足に見立てた、ミニコーンを置いて、その足を避けて、シュートをします。
「自分の位置」にボールを置き、右足アウトでボールを真横
(もしくはやや斜め後ろ)にだして、右足でシュート。イチニのタイミングで打ちます。
止まっているスピード0の段階から、スピード100に急加速してシュートします。

  • スタート地点はグランドでは、ゴールに向かって左45度ぐらいのイメージです。

  • 横に出してから蹴るまでのスピードにこだわりました。
    人間が目で見てから、反応して身体が動きだすまでの時間は0.3秒と言われています。最初の体制から0.3秒以内に右に出してシュートが打てれば、原理的に防げません。実際には0.3秒には打てなくとも、それに近い速さで打てれば防がれにくくなります。

  • 但し、右に出すことをディフェンスに予測されていると反応されちゃうので、はじめの立ち方は、右にも左にも行ける体勢で
    最近は正対というのでしょうか(詳しくない)

  • コースは、ゴールファーサイドの下。あとはディフェンスの股を狙ったニア下の二か所。できるようになれば、ファー上が狙えるとさらによいです。

  • どちらに打つ時も、身体は右側のファーサイドに向けます。軸足もファー側に向ける。そうすることでシュートコースを読みにくくします。特にニアを狙う時に、軸足をニアに向けないことは大事です。

  • シュートでは「軸足を抜く」キックです。右足で蹴って右足で着地するあれです。これはいろいろとネットで情報が出ていますが、キックフォームと同様に、体重さえ乗ればフォームはなんでもありだと思います。

  • ボール回転は、ボールの芯を捉える事が大事だと思うので、無回転か、ややカーブ回転。

  • できるだけ大きく出すパターンと、シュートまでのタイミングの速さを重視するパターンの二つで練習しました。

  • 慣れてくると、小さなキックフェイントを入れてタイミングをズラす練習もしました。アグエロの、左手をちょっと回すだけのフェイントのイメージです。その場合は、イチニサンでシュートします。(二がキックフェイント)

  • ボールは、最低でも3つはあった方がよいです。拾いに行く時間が、蹴る時間以上に長くなったりして、結構なタイムロスになるので。

〔ステップアップ〕右サイド

  • 左サイドからある程度蹴れるようになると、スタート地点をゴールに向かって右45度に設定した練習もしました。

  • 縦に抜けて右足でシュートします。

  • シュートコースはゴールのニアサイドの上、ファーサイドの下を狙います。

  • シュート時の身体の向きは右側のニアサイドにして、コースを読みにくくします。

シュート練習を、一日20本だとして、20日練習すると一月400本。
一年で4,800本、6年で28,800本になります。これだけ蹴るとキックは上達します。
長男はFWからコンバートされましたが、ジュニアユースでキックが強みになっているのは、この練習が利いているのでは、と思っています。

書いていて思い出すのは、長男のこと。
いや、長男は「できないこと」がたくさんあったなと

たとえば、身体の後ろにボールを隠すダブルタッチは、最後まで、できなかったような気がします。

シュートも、右サイドからのニア上は、あまり上手くなりませんでした。
何度もふかしてた。

小学校に行く前の10分から30分、毎日いろんな狙いで練習してきました。
その練習で長男ができるようになったのは、平均すると僕の期待レベルの6割ぐらいでしょうか。

しかし、たとえ6割であっても、
「できなかったことが、できるようになる」のはすごいことです。

ダブルタッチは、ほぼ自動でだせるようになりましたし、
右足のロングキックの精度は、ジュニアユースのチームでも、高い方です。
ディフェンスに間合いを詰められた時は、右足のアウトサイド・ターンでかわします。(ベッケンバウアーのような華麗さはない)

子どもが「できないこと」ではなく、「できるようになったこと」に焦点をあてて練習することが、少年サッカーの育成を考える上では大切だと思っていました。

以前、長友選手が小学生へのアドバイスを求めれて、
「小学生の間はサッカーを楽しむことが一番大事」と言っているのを聞いた覚えがあります。

僕も、「子ども自身が、練習が好きになる、サッカーが好きになること」が一番大事だと思います。
ジュニアユースになると、ケガ、レギュラー争い、進路選択など厳しい場面が次々に出てきます。小学生の時に、すごく上手かったのにサッカーをやめてしまう子どもがたくさんいます。

長男がいつまでサッカーを続けるのか、今時点ではまったくわかりませんが、多くの時間を費やして全力で取り組んでいるのだから、たとえ辞める時がきても「サッカーは、楽しかった」という気持ちは持っていて欲しい。

(中3になった今でも、長男自身は能天気に「プロになってプレミアに行く」と言っています。その割に、英語のあの成績は何なの?)

読んでいただきありがとうございました。

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