上村由紀子/演劇ライター×ラジオDJ
人生のドン底にいた巻き髪の素人がライターとして未知の世界に飛び込んだ記録
おもにエンタメ・カルチャー分野で書く&語るライター 得意分野は「ミュージカル」「演劇」「ドラマレビュー」 X(旧Twitter)演劇・ミュージカル分野のオーサー お仕事のお問い合わせはこちらに → stage4919@gmail.com ☆略歴☆横浜市出身。幼い頃から劇場に通い、劇団四季『キャッツ』初演を観て覚醒。桐朋学園芸術短期大学卒業、同大学演劇専攻科(修士課程)修了後は蜷川幸雄氏演出の舞台や映像作品に出演 20代中盤からはFMラジオDJ(bay-fmで朝の3時間
2023年ももうじき終わり。 5月にコロナの扱いが2類から5類に移行した流れで、日常的に劇場に行く日々が少しずつ戻ってきたような気もする。 取材の現場でも以前のようにアクリル板を挟んでとか、基本オンラインで、みたいな案件はほぼなくなった。 アクリル板を挟んでのインタビュー取材、刑務所面会コントみたいって何度も笑いそうになってたことは内緒。 プライベートではありがたいことに大きなアクシデントや悲しい出来事に見舞われることなく過ごせた1年。 あ、今年も海に潜れた。沖縄・宮古島の
ウォーターズ竹芝地区にオープンしたホテル「メズム東京 オートグラフ コレクション」がミュージカル『オペラ座の怪人』とコラボレーションしたランチを出しているらしい……とTwitterでつぶやいたところ 「メズム東京」マーケティングの方から「せっかくなのでご試食なさいませんか」とサプライズ的なお声がけをいただき、うかがってきました。 コラボランチを提供しているのはホテル内ダイニングの「Chef’s Theatre」。エレベーターを降りるとすぐ目の前にこんな水辺の風景が広がりま
「演大連」をご存じだろうか。 演劇の実技授業がある東京都内の大学=「桐朋」「玉川」「多摩美」「日大」「桜美林」の五大学が参加し、演劇の実技授業の在り方や演劇と社会とのかかわり方を研究するため発足した組織だ。 その「演大連」が後援し、学生主体×公共劇場との連携で毎年行っている「演劇系大学共同制作公演」。8回目となる2021年は多摩美術大学が幹事となり、9月10日(金)~12日(日)まで東京芸術劇場シアターイーストにて柴幸男・作『あたらしい憲法のはなし 3』を西岳の潤色・演出
8月1日の未明にいきなり39.5度の熱が出た。 それはもう、なんの予兆も前触れ(たとえば喉の痛みとか)もなく、気づいたら体中に痛みが走っていて、高熱で意識が飛び、通常10秒の場所にある自宅トイレに行くのに15分かかる始末。 このご時世、高熱の原因として考えられるのは……まさか……。 39度を超える高熱でスマホを持つのもツラい。が、頭の中は大渋滞だ。幸い仕事関係者への取材やオフラインでの打ち合わせはしばらく入っていないし、ここ2週間は対面取材もしていない。濃厚接触者にあた
東京芸術劇場・芸術監督の野田秀樹さんが、劇場開場30周年に向けて【「劇場は人が屯をするところではない!」に始まって】とのメッセージを公式ページに出した。 2月のアレに関してはノーコメントかい!というツッコミはさておいて、芸劇のアトリウムに流れる開放的な空気を思い出し、首をブンブン振りながら読んでしまった。 「劇場の顔」と聞いてまず思い浮かぶのは、日本でもここ20年くらいで定着した”芸術監督”と呼ばれる演出家と、その劇場の舞台で活躍する俳優陣だろう。前者は芸劇の野田さんをは
※文末に追記アリ(7月16日) 『THE☆JINRO―イケメン人狼アイドルは誰だ!!―』というタイトルの公演でクラスターが発生してしまった。 出演者やスタッフ、さらに観客まで入れると約40名の罹患者が確認され、850名が濃厚接触者に認定という一大事態である(2020.7.14時点)。 わたしはこのステージを観ていないので、内容や演出についての言及は避けるが、報道でどうしても違和感を覚えることがある。 その”違和感”とは当該公演を行った劇場=シアターモリエールへの報道の
最初に書いておきたい。 わたしは生まれて1度も韓国ドラマやK-POPに興味を持ったことはなく、なんならそれらを避け続けてきたエンタメ系のライターだ。 海外ドラマといえばアメドラか英ドラで、特に好きな作品は『SHARLOCK』『ゲーム・オブ・スローンズ』『This Is Us』『クローザー』それとブロードウェイのバックステージを描いた『SMASH』あたりで、韓流作品は『冬のソナタ』が爆発的に流行った時分に1度チラっと見て挫折。それ以来、韓国ドラマ=「すぐ記憶喪失になっ
1週間前は 3日前は 昨日は 1時間前は あまりに短いタームで状況が動いていく。TLに「公演中止」の文字が出るたびに胸がギュッと締め付けられる。作品に深くかかわっていない人間がツラいのだから、プレイヤーやスタッフ…実際に現場にいる人たちは身を引き裂かれる思いだろう。 これはわたしの体感を基にした「記録」 多分、とても長くなる。 2月23日(日)に下北沢の本屋B&Bで、現代演劇ウォッチャーの高野しのぶさんとトークイベントをやらせてもらった。 『ボロボロ…号泣からのトーク
2月23日(日)下北沢・本屋B&Bでのトークイベント 上村由紀子×高野しのぶ 『なぜ私たちは<演劇>を取材し、書こうと思ったのか』 ~NOコネNOスキルの2人がPC1台で壁をブっ壊した話~ おかげさまで、無事に終了いたしました。 前売りは完売。 当日は70名弱のお客さまにお入り頂くことが叶いました。 足をお運びくださったお客さま 気にかけてくださった皆さま 本当にありがとうございました。 じつは開催日の5日前に、声帯炎で声がオッサンになるという事態が勃発し、その後1
2月23日(日)の下北沢・本屋B&Bさんでのトークイベント、おかげさまでいったん満席となり、その後、増席の運びとなりました(涙)。 じつはこちらの会場、基本的には新刊の発売等「本」に関するトピックがないとお借りするのが難しい場所で、今回は嬉しさとともに、企画者としてちょっとしたプレッシャーもあったのです。 俳優でもタレントでも作家でもないわたしたちのトークを聞きに、お客さまが足を運んでくださるのかな?って。 お申し込みくださった皆さま お気にかけてくださった方々 本当に
「取材者」として演劇やミュージカルに関わるようになって6年半が経ちました。 出版社や編集プロダクションへの勤務経験もライター講座等の受講歴もなく、仕事について教えてくれる先輩も、媒体を紹介してくれる友人もいない。 そんなNOスキル×NOコネクションの状態から40歳を過ぎて始めたライター業。 完全な見切り発進で足を踏み入れた演劇の取材現場にはさまざまな人間ドラマが渦巻いていました。 嬉しくて泣いたこと 悔しくて泣いたこと 叩きのめされたアレコレ 今回のトークイベントで
相変わらずの自宅安静DAYSです@第五中足骨骨折から約20日。 この時期、下手に動くとヒビが入った部分に転位(ズレ)が出る可能性もあるので、自宅のリビングとベッドルーム、キッチンやトイレ間くらいしか移動していません。ああ、いくらひきこもり体質とはいえさすがに退屈。 その退屈に任せ、イロイロなことを考えている毎日。そんなカケラをちょこっと綴っていきますね。 演劇やミュージカル、ドラマの記事を書くようになって5年半が経ちました。見た目の押し出しの強さ(……お、おう)やメディ
ここで過去のことをイロイロ掘り出しているせいか、無性に会いたくなった人がいる。 Sさん。 noteで出すイニシャルは実際の会社名や人物名と無関係と前に書いたが、今回は気分が出ないのでご本人のイニシャルをもらって書いていきたい。 Sさんと初めて会ったのは今はなき浜松町の四季劇場[秋]。当時上演されていたミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』キャスト取材の時だ。 この頃(2015年2月)私は総合情報サイトの「A」に加えて演劇・ミュージカルに特化した「C」というサイトでも
目の前のコップに水が半分入っている。 世の中には「やった、半分も入ってるじゃん!」と喜べる人もいるらしいが、私は「ああ、水は半分しかないんだ」とがっつり落ち込むタイプだ。 失敗するのが怖く、勝てる勝負しかしたくない。つねに他者からの評価も気になるし、多分、自己承認のバランスもガッタガタ。 が、この時ばかりは「誰かの評価が怖い、落とされたらどうしよう」なんてつべこべ言っている場合ではなかった。 絶望して泣くのはさんざんやった。1回ほとんどの希望を捨てた。多くのことを勝手
演劇に関わる仕事をしたい。 それは間違いない。だが40歳を過ぎた今の自分に一体何ができるだろう?いくら少しの経験があるからといって、今さら出るのも創るのも公演を手伝うのも何か違う。というか、そんな荷の重いことまだまだ無理だ。 なら、書くことは?戯曲ではなく演劇に関して記事を書く仕事。 今でこそ複数の演劇系Webサイトがあり、それぞれが個性を出して運営をしているけれど、2013年前半はまだエンタメサイトの第2次黎明期。2011年の大震災からある程度の時を経て、人々の関心が