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小声コラム#36 みんな、がんばれ!
もうすぐ東京オリンピックが開催される らしい。
全世界が待ち望む4年に1度のスポーツの祭典が、僕にとってはそれくらいの感覚になっている。
ニュースを見るのが得意ではないので、世間がいまオリンピックにどれだけ期待しているのか、楽しみにしているのかわからない。けれど、東京が緊急事態宣言下であることや、無観客での開催の話を聞くと、日本はお祭りムードではないのだろうなと、なんとなく感じる。(海外はどうなんだろう?)
もう開催がそこまで迫っているなかで、開会式のプロデューサー入れ替えや、小山田さんの作曲辞退の話を聞くと、現場が地獄であることが容易に想像がつく。きっとこの先名前を知ることもないであろう人たちが、昼夜を問わず身を削って動いている。たぶん倒れる人も出ていると思う。世の中はそれを知ることはない。
誇りをもって準備ができているのか、そんなことを心配してしまう。
ただ、このオリンピックを夢に見て働いてきた人を、僕は知っている。とても大事な1人の友だち。オリンピックが東京に決まったあの日(もう8年も前になるのか)、実際にその友だちの隣にいたから、誰よりもその夢のことを知っているのかもしれない。思い返せば、その友だちの夢が生まれた日に側にいたことが、なんだか奇跡みたいすら思えてしまう。
恥ずかしいことに、つい先日、その友だちに会うまでは、そんな大切なことを忘れていた。こんな世の中の状況で、国のお金や見栄のために開催するオリンピックは、とても他人事のようだったから。
でも、違う。
人として葛藤しならがらも調整してきた選手が世界一を目指して闘う日。
これ以上ウイルスが広がらないように守り抜く日。
祭典として晴々しい舞台を創り上げるのを支える日。
大事な友だちの夢が叶う日。
ニュースに取り上げられないところで、準備をしてきた人たちがいる。やらされているだけじゃない人がたしかにいる。
きっとそのことに対して、財政や国籍や役割とかの類は入り込む隙ない。ただ純粋に、夢みてきた人を、準備をしてきた人を応援しなきゃいけないんじゃないかと思う。
選手だけじゃない、映像を届けてくれる人たち、会場を設営してくれる人たち、スタンバイしている医療関係の人たち。画面越しには見えないところに拍手を送らなきゃいけない人たちがいる。
今回に限ったことではないし、オリンピックに限ったことでもないけれど、今は特に見えづらくなっているような気がしたから、自戒の意味を込めて。
あまり好きな言葉ではないけれど、いちばん届く言葉のような気がするので。
みんな、がんばれ!
#36 みんな、がんばれ!