小声コラム#8 広告代理店のイメージ
"広告代理店"というと、今はどんなイメージを抱かれるのだろう。
大学生のころに僕が持った印象は、
"忙しくも華やかな世界"だった。
というのも、広告という言葉から想起されるものは、TVCMや大きなポスターであり、
そこには有名タレントがバチバチに決めているからである。
忙しいというのは、マスコミは忙しいとどこかで聞いたからだと思う。
そんな薄っぺらい情報から、広告をつくる代理店は華やかなイメージがあった。
しかし、今はどうなのだろう。
TVが見られなくなり、大きなポスターの出稿も減っている。
その代わりにYouTube、Instagram、Twitterなどのインターネット広告が溢れ返っている。
おそらく、というか確実に、それはウザいモノではないだろうか。
(もちろん全部がそうではないだろうけども。)
そして、そんなウザい広告をつくっているのが広告代理店だ、と認識されていたりするのだろうか。
もしそれが事実なら、僕はこう思う。
「聞いてた未来、どこいった?」
就活中に聞いた話だと、
『インターネット広告はデータを使っていろんな配信ができるから、欲しいと思う人だけに届けらる広告なの!これからどんどん精度があがっていくのよ!』
てきな未来の広告の話を聞いた。
素直でキュートで無邪気な学生だった僕は、
見事に信じ込んだ。
でも、いまならわかる。
それは妄言だ。
人はそんなに単純ではないし、データはあくまで過去の記録だ。
現在を捕まえることなんて、自分ですら難しい。
でも誤解しないでいただきたい。
あのウザい広告と思われるモノをつくっているのは広告代理店の人間だとしても、
誰もウザい広告をつくるつもりなんてない。
これは間違いなく事実だ。
なんなら、けっこう本気で、欲しいと思う人に届くように、伝わるように広告を作っている。
広告は結果的にウザくなっているのだ。
何かを見ようとしている最中に、どうでもいいものが割り込んでくる仕組みが原因である。
僕は別に、だから広告代理店は良いものだなんて言いたいわけではない。
広告をつくっている自分に寛容になってほしいわけでもない。
そういう事実があるということを知ってほしいと思っただけの、ただのエゴだ。
この先、もっと進んだ未来では、広告代理店はどんなイメージになっているのだろう。
ちょっとだけ気になるが、あとは任せよう。
最後に、Web広告代理店で働いて、抱きつづけていることがある。
それは、過去の僕には少々酷かもしれない。
「華、どこ。」
忙しいことは、正しかったよ。
#8 広告代理店のイメージ