英語のスピーキング力を上げたかったら、日本語を見直す:①読む力
こんにちは。
TOEIC500点台以上の中級者対象の英語スピーキングコーチ、高橋です。
8月も終わりというのに、毎日暑いですね。スピーキング力、プレゼン力アップに関した記事を、月木で書いています。次回は9/2になります。
初めての方はこちらから(自己紹介)
前回は、英語スピーキング力を上げたかったら、日本語力を上げるのが必要、ということで、4技能(読む、書く、聞く、話す)について、書きました。それを、1つずつ掘り下げていくのが、今回からです。
初回は、読む力とその上げ方についてのご提案です。
あなたは、「本や雑誌、論文等がよく読める状態」、と言われてどんな状態を想像されますか。
私が思う、「よく読めている状態」とは、①内容が、著者の意図したように理解できている、②全体を読むのに、あまり長くはかからない、ということです。一点、付け足しは、もし読んでいる物がフィクションならば(物語、小説、詩。。。)①を考えるのは、あまり意味がなくて、あなたが読みながら、あなたなりに楽しめていれば、いい、ということです。解釈はそれぞれ違いますからね。
では、上の①、②に至るためには、どんなことをすればいいのでしょうか。自分のしてきたことも含めて、書いてみますね。
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まず①です。
人により、情報の整理の仕方が違うので、私に取って、分かりやすい章だては、必ずしも著者にとってのそれではないかもしれない、という意識を常に持っています。
ですから、その著者が、何を、どんな順序で言うつもりなのか、を最初の目次で確認します。情報が、どんな順で来るのか、予想ができれば、「ええと、XXということについては、触れているのかな。」って、不安にならなくて、すみます。
私は米国で学術的な物(自分の専門分野についての)を多量に、読む必要があったのですが(大学、大学院時代)、当時のアドバイザー(ドイツ人、オックスフォード大卒)に言われたのは、自分の必要としている情報を、探す目的で読む時は、論文なり本なりを、全部読むのではなくて、目次を読んで、必要な部分だけ読む、という選択的に読む、ということをするように、ということでした。
ご存じの方もいらっしゃるでしょうけれど、学術論文は、書き方に決まりがあり、それを踏襲しているので、全部を読まなくても、一部のみ読めば、情報は取れるのです。(全体のまとめー今までにどんな研究がされているかの他の論文のまとめー仮説ーリサーチメソッド、ーリサーチの結果ー将来すればいい関連リサーチー参考文献紹介ー図表等、という物です。)
ノウハウ本(日英)に関しても、最初に目次で読みたい箇所を確認して、という読み方はできますね。
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上のように いわば、選択して、一部読む、ということもしますが、心配になって^^ 結局全部読んでしまいます。一部だけ読んで得られた意味と、全体を見て、そのなかで言われた意味は、同じでない時があるので。
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これが、物語、詩などのフィクションだったら、読み方は、変ってきます。そして、読まれた物を、どう解釈するかは、あなた次第。
なので、10人いれば、10通りの読み方があるし、それは、20,30,100通りかもしれません。一人が、複数の読み方をしてもいいので。複数回、読み返してみると、最初の時とは、違った味わいがあったり、違った物が見えたりして、それも面白い物です。
個人的に、他の方がどういう風に読んでいるのか、どんな風に感じたか等、話し合うと、だからとても面白くて、もっと時間に余裕があったら、そんなことを話し合う読書会なども いいなあと、思うのです。読み方によって、相手のことがわかるし、自分にとって新しい読み方があって、それを試したいと、思うので。
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私がどんな風に、創作の読み物を読んでいるのか、書きますね。
(あくまでたくさんある読み方の1つ、ということで。)最初から読んでいきます。これだけです。で、可能なら、一気に読みます。途中で読むのをやめて、別のことをしたり、次の日に持ち越さない、ということです。
途中に美麗な押し絵・写真など入っていれば、それをうっとりと眺め、また読む、別の絵が来て、うっとり。。。の繰り返しです。絵本などなら、絵の入ってくる割り合いが高くなりますから、絵をじっと見ている、時間が長くなりますねえ^^
漫画も読むのもそのように。読むスピードも速いです。それは、私が3歳から漫画を見て・読んでいる、というだけではなくて、日本の漫画が手塚治さんの頃から、読み易いように、絵で(字でではなくて)語るように、作られているからなんですけれどね。(字がやたらと多い外国の漫画などもありますが、それらとは違う。絵で語らせるのであって、そこを字では説明しないのです。だから日本語を読めなくても、わかってしまう部分が多いのです。)
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次に②ですね。一定の速度で読める、ということです。
巷には、速読を教えるところも多く、本一冊を5分で読んだ、等と書いてあるのも見ます。
英語の記憶術のクラスは取ったことがあるのですが、速読はちゃんと習ったことは、ありません。それでどうにかなっているのは、うんと集中力を上げて、読んでいるからです。隣から話しかけられても、わからない位に集中して、書いてある物の意味を取りながら、普通のハードカバーの本を一冊読むのが、2時間以内で、できます。
5分以上かかっていますが、私はそれでいいと思うのです。なぜなら、かなり詳細に内容を覚えていられるし、一冊続けて読み終えられて、達成感があるからです。今はコロナで、通勤の形態が大分変ってしまいましたが、2時間というのは、私の往復の通勤時間の合計です。(時々、集中しすぎて、駅を乗り過ごします。同僚はスマホのタイマーをかけて、乗り過ごしを防止しているそうです。)
後で、他の本の内容と対象できるように、要所には付箋をつけて、あるいは線を鉛筆でひいて、ノートにまとめておくこともあります。美麗本や、フィクションなら、好きな絵や表現のページに付箋をつけたりしている時もあります。後で見返せるように。
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上に書いたように、速読の正式な訓練は受けていません。この速さで読めるようになった、そして集中力が続くようになったのは、英文なら、読まなければいけない必要に迫られて、大学院時代、(なかなか読めなくて)泣きながら英文を読んでいたことの繰り返しに、よります。
毎晩、翌日用の宿題が読み終わらず、体が疲れてくるので、ベッドに寝ながら、読み続けていて、気づいたら寝ていた、の繰り返しでした。手にマーカーを握って。その状態は、すぐには改善されず、でも読む努力を続けていたので、一学期が終わる頃には(4カ月ぐらい)大分読めるようになっていました。
読めるようになるには、はい、読む努力を続けなければなりません。どこで、読む速さが出てくるのかは、その方の技量と、読まれた量によって違うと思います。(でも、自分とクライアントさんの過去の経験から 必ず読めるようになりますよ。)
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では、日本語では、どうやって読む力をつけてきたのか。これは、
幼い頃(まだ字が十分読めなかった2歳~から)は、一緒に住んでいる大人達の絵本の読み聞かせでした。あるいは、お話しを作る、ということで、夜寝る前、必ず枕元で、祖父、母等が、お話しをしてくれました。
前の晩からの続き、あるいは前の回からの続きなので、どこまでお話しが進行しているのか、思い出してから、になりましたから、記憶力も鍛えられたのだと思います。
担当者によって、内容が違い、母は、鯉が滝を登ったり、という自然を舞台にした冒険譚、祖父はひよこが色んな理由で、増えていく、という算数のようなことが中心の物が多かったです。カナリアを飼ったり、草花の手入れが上手な祖父だから、ひよこたちはいつも生き生きと、楽しそうに増えていきました(祖父の作ったお話しかと思っていたら、後に四国に旅行した時に、日本でできた最初の小学校の教科書に、ひよこの話しがあったので、そこから想を得たのかもしれませんね。)
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お話し、語りの持つ力、話者と一緒に私がお話しを作れるという楽しさで、絵も動画もなかったけれど、想像力を働かせて、お話しを作っていく、という経験をたくさんしました。
少し大きくなってきたら、絵本の読み聞かせをしてもらったので、書いてある文字が音声を伴って、絵と一緒に入ってきて、そこから、徐々に自分で文字を読みながら、というところに移っていけたのだと、思います。
なので、いきなり、読むようにと言われるより、はるかに楽に、読むというところに行けたのかもしれません。
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思いますに、読みたい本がある、ということが第一ではないでしょうか。人から勧められたものでも構いませんし、本やさんをぶらついて、目に留まったものでもいいんです。
いつまでに、という締め切りがないと、だらだらしてしまうので、図書館を利用するのもいいでしょう。そして日常の隙間時間に、読まれてみたらどうでしょう。
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夜寝る前に、必ず読書してから、という方もいらっしゃいました。そこが一日のなかで、心を休め、リラックスする大切な時間なのだそうです。
あるいは、一年の内に必ず、長めのお休みを取って、その間は仕事はしないで、読書三昧で過ごす、という方も知っています。いつか読もう、と思ってたまっている本、そんな時に読まれてもいいですね。
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図書館に行けば、司書さんがいらっしゃるので、本探しにも、協力してくださいます。特定のテーマがあるときは、それを。無いときは、~な分野で、とか、今話題になっている本とか、リクエストしてみてください。
あの方達は、いわば、本のDJ. たくさんある知識のなかから、ぴったりな一冊を選んでくださることでしょう。
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また あいにく、今 病気や怪我で入院や自宅待機をされている方達。お疲れのないように、本を読まれてはどうでしょう。面倒でも、じっと字を読み進めていくうちに、だんだん楽しくなってきますよ。
まとめると、ひとまず読んでみる、と言うところから、本等を読んでいくことを生活の一部にされるといいと思います。
今回は、ここまでです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。一朝一夕では、読む力はつきませんが、続けていらしたら、きっとついてきます。
因みに今回の写真は、漁師さんが朝、漁に出る前に、高台に登って、潮目を見る、ということから選びました。全体を見て、意味を取る、という読書の作業に似ている、と思って。経験を積むと、よく読めるようになるのも、共通です。
次回は、別のこと、②書く力について、取り上げます。