26/100 岡潔「春宵十話」/世界を変える方法、それは
概して今月はとてもうまくいっている。夏休みが5日あったのもあるけど、本を読んで映画を観て文章を書いて、のサイクルが回り、平日は毎日ヨガをして、時には凝った料理まで作ったりして。
いいサイクルが回り始めた最初のきっかけは、よいコーチに出会ったことだ。10万弱の値段を払うことに少々ためらいはあったのだけど、結果として、妊娠してからずっと満足にできずにもどかしかったインプットとアウトプットを再開するキッカケになった。そして今月好調なのは手帳を買って活用していることで、その理由は前回書いたとおり。
世界を変える方法はとてもシンプルで、それは自分を変えることだ。自分が変わると世界が変わる。そして自分が変わるきっかけは、ほんと些細なことなのだ。たとえば今回の私にとっては、それが手帳。
娘を育てながら私が感じるのは、生来もつ性質・才能の存在だ。娘は体がとても器用で、全く体を使うことが苦手な私は、それをみて生まれながらの不公平さに複雑な気分になる。
それでも今の時点を「0」とするならよい方向に変わる方法はいくらでもあって、そう考えると生きるって楽しいな、やりがいがあるなと私は思う。
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「春宵十話」は1901年生まれの数学者、岡潔さんの教育や学ぶことに関する苦言や所感をまとめたエッセイ集。我が家にはたまにどういう経緯で買ったのか思い出せない本がある。この本もそのうちの一冊。
どうしてこんな本を買ったのかな?と疑問に思いながら手にとったのだけど、これがびっくりするくらい面白くて、夢中で読んだ。数学者の方が解を見つける過程やそれを発見した時の描写も、まるでその時のもどかしさと興奮を追体験しているようだったし、東洋と西洋の文化の違いを「情操」と「ひらめき」なんて言葉で整理されているのもとても興味深かった。
他に印象に残ったところにこんな箇所がある。
夜ふとんに入ってからは考えるともなく考えており、おそいときは夜明けまでそのまま考えている。暗闇の中だが、心の中にあるものを心の目で見ているだけだから別にあかりの必要はない。
岡潔「春宵十話」
寝れないということを私たちは「悪いこと」と捉えがちだけど、「心の中にあるものを心の目でみている」なんて風に考えると、むしろ有意義な時間になる。そう、やっぱり自分の受け止め方が変わると世界は変わる。寝られない夜は岡潔さんとシンクロしたい、そんな心持ち。