サポートありがとうnote〜おにきちさん〜
※このnoteは牧真姫子にサポートをしてくださった方へ、わたしが勝手なイメージで書いたショートショートのプレゼントになります。その中で公開を了承して下さった方の作品を順を追って公開しております。
おにきちさん(@_onikichi_)へ贈ります。
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「まったくご先祖様も酷いよな」
「本当だよ、俺たち何にも悪いことしてないのに」
赤い恰好の男と
青い恰好の男が
グチりながら海辺のゴミを拾っている。
彼らの先には大量のゴミが落ちているが、彼らの後ろにはゴミなんて初めからなかったかのように美しい浜辺が広がっている。
そんな時、後ろの方から女性の叫び声が聞こえた。
「おいおい、まだ泳いじゃいけないって表に書いてあっただろ」
男たちは声の方へ走る。
どうやら女性が海で溺れたようだ。
「たす・・・けて・・・!!!」
「もう大丈夫だから暴れないで」
男たちは目にもとまらない速さで溺れている彼女の側までたどり着き、滑らかな泳ぎで浜辺に女性を連れ帰った。
「あ、ありがとうござ・・・」
咳き込みながら女性は2人にお礼を言おうと顔を上げた。その瞬間
「きゃああああ!!!鬼ぃっ!!??」
赤い恰好の男と青い恰好の男は人間ではなかった。
額からは太いツノが生え、八重歯は長く鋭い。肌の色そのものが赤と青の筋骨隆々の巨大な肉体。
「ああ、やっぱり怖がらせてしまったね」
「何もしないから、早く帰りなよ」
少し寂しそうに鬼たちが彼女に言う。ところが
「あの、わたし、初めて鬼を見ました!よ、よかったら、握手してください!っていうか、一緒に写真撮ってもいいですか!?」
鬼たちは驚いた表情で顔を見合わせる。
「え…君、怖くないの?」
「怖くないと言ったら嘘になりますけど、有名じゃないですか!」
「人助けをする二人組の鬼がいるって都市伝説!本当だったんですね!」
・・・ご先祖様、さっきはグチってごめんなさい。
毎日の行いを、お天道様はちゃんと見ていてくれたみたいです。
それから、その浜辺には心優しい2人の鬼が切り盛りする海の家がつくられ、人々に末永く愛されたそうな。おしまい。
おにきちさんは人が喜んでいる姿を見るのが好き、頑張っている人を応援したい、困ってる人を助けたいという信念のもと、毎日 #polca で支援されています。主な活動場所はTwitterなので、気になった方は遊びにいってみてくださいね。とても気さくでお優しい方ですよ!https://twitter.com/_onikichi_
牧 真姫子より🍙ありがとうをあなたに。(@makicome1986)
※こちらのnoteは、下記のサポート企画の一環になります。