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「仕事ができる」ってどういうこと?



何が「できる」と仕事ができることになるのか


「あの人は仕事ができる人だ」
と評するとき、それはどんな人のことだろう?

職種や業界によって異なるといえばそうかもしれないけど、私がいろんな職種の採用選考をしたり、その部署の既存社員を見てきた中で
共通していえるかなと思うポイントを2つお話ししたい。


そりゃそうでしょと言われそうだけど


まず1つ目は
「任務遂行能力が高い」

「仕事ができる」をそのまま言い換えたような表現なので
「そりゃそうでしょ」となるかもしれないけど
もう少し紐解いてみる。


「やったことがないことに挑戦できる」
「途中でやめずに最後までできる」
「他人の力を借りてやり遂げられる」
「自分以外の人もできるようにする」

具体的にいうと、このあたり。

役職があろうとなかろうと、新人であっても、できなくはないこと。
そしてこれらができたら自然と職位は、ある程度まで上がると思う。


一つ一つを見てるとテクニックというよりは


あなたは無理矢理、無人島に連れてこられ、放置されました。
この島はなんらかの理由で24時間後に消失してしまうとのことです。

急に何を言い出すのかという気持ちは置いておいて頂き、
この場合あなたは何をするだろうか?

脱出の方法がわからないからといって、そのまま砂浜で寝て過ごすだろうか?

もちろんそんな選択肢もあるけど、
「なんとか脱出を試みよう」と決めたら、いろんなことをやってみるのではないか。


何が言いたいかというと
「やりきろう」と決めた想いの強さや、やり切った時に得られるものの想像が遂行能力につながるところはあるので、
逆に技術や知識、経験がなくても、この部分は高めていけるんじゃないかな〜、
と思っている。

実際に私も、20代のころは余計なことに意識がいって
やり切るぞという想いは足りていなかったから、
自然消滅や途中で終わることが多かった。

「何がなんでもやる」という決意が高くなってから
本当の勝負(?)ができるようになったと思う。

(がむしゃらに自分を追い込むことを勧めたいわけじゃないので
 もっと楽をしようよって話はまた別の機会に)




これもまた「そりゃそうでしょ」なんだけど


2つ目は「コミュニケーション能力が高い」


いやいやごめんなさいね。

そんなこと何百回も聞いたことあるわと。
アンタも同じこと言うのかと。
月並みな女かと。
ハイすみません。


だけどもだけど、よ?

これってどういうことか考えたことはあるだろうか?

結果的にそれっぽい人を「コミュ力がある」と評価して
ダメっぽい人を「コミュ力がない」と言ってるだけなことが多くないか。

「具体的にどういうことか」を考えてみないと
高めることはできないし、自分や他人の評価をするためだけに使われるような言葉になってしまう。


具体的には


私は「人徳的コミュニケーション」と「戦略的コミュニケーション」の2つがあると思っている。


人徳的コミュニケーション


これは私はなかなかできなくて、すごいなといつも思うけど、
相手の様子を見て声を掛けるとか、何を話しかけられても温かい返しをするとか、
相手にマイナスなものを絶対に渡さないコミュニケーションのこと。

何回も聞いたことのある話を、初めて聞くかのように反応できる人は
こっちタイプだと思う。


ただお人好しなだけじゃなくて、全体をよく見て、割と分け隔てなく同じテンションで接することができる。
これって自分が孤独にならないためだけに駆使する場合は、自分の味方や派閥ができればそれでいい、ってなるので、
「いつも」「全体に」、つまり広く相手のためにこの力を使っているかどうかがポイントだと思う。


「挨拶を大事にしている」
これもマナーとか常識とかで語られて、あまり意味を考える機会はないけど、
「私はあなたを認識していますよ」という気遣いにもなるコミュニケーション。


このあたりのことができる人というのは、
基本的に自己のストレスコントロールができてる人が多いし
(そうじゃないと他人にそこまでできない)、
周りの人に感謝されていることも多いので、
いざとなったときに応援や協力をしてくれる人が多いという求心力みたいなところで
仕事がやりやすく、結果も出やすくなると思う。


戦略的コミュニケーション


コミュニケーションが得意というのは発言数が多いとか、声が大きいとか、話にオチがあるとかではなく、
何を言い、何を言わないかとか、
相手に理解してもらう、相手を動かすという
伝わり方に着目して捉えるのが大事だと思っている。

前述の任務遂行能力の話とあわせると、話を前に進めるとか
知らないことをやる時に他人の手を借りるとか、
あるいは、必要がないと思うことを削ぎ落とすために、
使うスキルかなと思う。


「これを言ったら嫌われるんじゃないか」
「これを言ったら自分はおかしいと思われるんじゃないか」

仕事においては自分に矢印を向けすぎると自爆しやすいと思っていて、
「何のために、何を伝えるか」をフラットな気持ちで発言してみると、意外に良いほうに向かうことが多い。

目標達成したい気持ちよりも自分の見栄えが気になるうちは
まだまだ熱狂が足りないし、
中途半端に気持ちを燃やしている分、歪んだストレスが大きくなる。


私がけっこう面白いと思っているのは、「自分がこれを言うと相手はどう動くか」を逆算して
パフォーマンス的に伝えて「コトを動かす」っていうやり方。

元気ややる気を出させるというのもそうだし、
仲間に巻き込んでる感を出して自然と動いてもらえるようにするとか、
いつまでにできますか、と聞いて相手にコミットさせたりとか、
人と人とのやり取りって面白いなぁと思う。


こっちのパターン(戦略的)の場合は必ずしも楽しいコミュニケーションばかりではなくて、
たまには緊迫した雰囲気にさせてしまったり
誰かを追い込んだりしてしまうことはあるけど、
それすらも山頂への道のり。

とにかく、何かを伝えれば何かのリアクションが返ってくる、
その掛け合いを使って仕事を前に進めていく巧者が
戦略的コミュニケーションができる人じゃないかなーと思っている。


批判のために使うのではなく


ここまで文章を綴ってきて、当初は頭に浮かんでいなかったけど
「これ、チームづくりに活用すればいいじゃん」
と思った。

「自分はこういうところが足りない」
「あの人はこういところができていない」
そんな批評や評価のために使うのはなんか違う気がするので、
「こういうところを気をつけてやってみよう」と前向きに活用してもらうか、
自分でコンプリートさせようとするのではなくて
周りにこういう人がいたら100人力だなぁと、コンビネーションに活用してもらうといいかなと思った。

上で述べた2種類のコミュニケーションに長けた人が
それぞれ一人ずつチームにいたら、とっても助かるだろうな〜。

そんな風に考えてチーム戦でパフォーマンスを上げようと考えられる人もまた
仕事ができる人ってことになるといいなぁと思ったりしつつ、この話は終了。

(予定外に長くなった汗)

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