音楽 真島昌利『夏のぬけがら』のこと
陽炎が揺れる十字路で記念写真を撮っただろう
真島昌利のソロ作品の知名度は、THE BLUE HEARTS、↑THE HIGH-LOWS↓などに比べれば低いかもしれない。でも、その音盤を愛し続けている者は多いはず。
THE BLUE HEARTSで、彼の唄声を初めて聴いたとき、なんと無茶な、と想った。喉よ焼き切れんばかりに振り絞る、その様に戸惑いもした。
一転、ソロ作品では柔らかなヴォーカルが持ち味となる。
真島昌利の唄声は、柔らかでも決して弱くはない。
少年から青年への揺らぎのなかで
ドアを蹴り夏を迎え、風に乗って雨に濡れ
必ず行くからそこで待っていろよ、と叫び
恋人と別れ、友と別れ、絶望の夢から醒め
彼はまた唄いだす。
最終曲『ルーレット』の一節
ひどくひどく沁みる。眼の奥に熱を帯びてゆく。
タイトルを聞くだけでジャケットを見るだけで。
1989年、ソロデビュー第一作。
一音一句たりとも色褪せない。
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