槇 泰志

猫はいいですね。

槇 泰志

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  • 料理など、食について

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    サラッとしてキラッとした文章が目標です。

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記事一覧

プシュ! 至福のひととき……そして猫

「プシュ!」 この音が大好きだ。缶ビールのプルタブを開ける音である。 ほんとうにいい音だと思う。これを聞いただけで、すでにウマい。 炭酸が入ったビールという飲み物…

槇 泰志
3年前
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家に何もないときの、フライパン一つで作れる簡単カルボナーラ

日曜日の昼。 パパ、何か作ってと言われて冷蔵庫を開けるが、ほんとうに何もない。 かみさんも娘もお腹をすかせていて、買い物に行く時間もない。 あるのは、常備してある…

槇 泰志
3年前
8

おじさん ドラえもんに泣く

また「ドラ泣き」してしまった。 新型コロナウイルスの第三波と言われる昨今、出歩くのは避けなければ……と思いつつ、「これだけは」という思いで一人で観に行った「STAND…

槇 泰志
3年前
1

サラダって何?

糖質を控えめにするダイエットをしている。 炭水化物を控えて、サラダを食べるよう心がけている。 そんなある日、ふと思った。 ……サラダって何? 世の中には、「マカロ…

槇 泰志
3年前
1

安いのに絶品! 「鶏すき」と「〆のカレー」

「ビーフカレー、牛肉抜きで」 かれこれ20年くらい前、カレーの専門店でそう注文する職場の先輩がいた。 注文したカレーに肉が入っていたりすると、「ちぇっ。……これやる…

槇 泰志
4年前
4

寒い日に… 身体が温まる! (禁断の)サッポロ一番

あまりにもお手軽で美味しいので、これからの季節、我が家の昼の食卓にヘビーローテーションで上るメニューがある。 「特製・サッポロ一番みそラーメン」。 なんだサッポロ…

槇 泰志
4年前
6

“貧乏神”と歩んできた人生

振り返ると、いつもあのゲームで遊んでいた。 僕の人生には、そんな特別なゲームがある。 「桃太郎電鉄」。 言わずと知れた、すごろく系ゲームの「ど定番」である。 出会…

槇 泰志
4年前
4

やさしさについて(びろうな話です)

「強くなければ生きていけない。優しくなければ、生きていく資格がない」。 そんな名台詞を、昔、聞いたことがある。中学生の頃だったと思う。 カッコいい言葉だと思った。…

槇 泰志
4年前
1

昔、友達の隣でビールを飲みながら考えたこと

「挑戦」という言葉は、重い。 そこには、「ちょっとやってみた」とは違う響きがある。 毎日休まずに練習した、夜も眠らずに働いた、他のすべてをなげうって取り組んだ………

槇 泰志
4年前

寧静の流れ 闇を舞う光

その街を訪ねた理由は、蛍だった。 田んぼの中を走るローカル線を降りると、そこは山間の古都、山口県山口市。 街を流れる一の坂川ではこの季節、ゲンジボタルが見られると…

槇 泰志
4年前
2

『表参道のセレブ犬…』の意外な内容

不意打ちを食ったような気持ちだ。 ちょっと文章のうまいタレントが書いた、旅のエッセーだと思っていた。 とんでもない。 いまの日本を生きづらいと思う、もっと言えば、…

槇 泰志
4年前
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プシュ! 至福のひととき……そして猫

プシュ! 至福のひととき……そして猫

「プシュ!」
この音が大好きだ。缶ビールのプルタブを開ける音である。
ほんとうにいい音だと思う。これを聞いただけで、すでにウマい。
炭酸が入ったビールという飲み物を発明した人に、時空を越えて感謝したいと思う瞬間だ。

そんなに酒飲みという訳ではないが、人並みに酒は好きだ。
気のおけない仲間と居酒屋で飲むハイボールも、しゃれたバーでしっとりと飲むウイスキーも、休日のテラス席で青空を見上げて飲むワイン

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家に何もないときの、フライパン一つで作れる簡単カルボナーラ

家に何もないときの、フライパン一つで作れる簡単カルボナーラ

日曜日の昼。
パパ、何か作ってと言われて冷蔵庫を開けるが、ほんとうに何もない。
かみさんも娘もお腹をすかせていて、買い物に行く時間もない。
あるのは、常備してあるパスタと卵、牛乳とニンニク、調味料くらい……

そんな時、フライパン一つで簡単に作れて、かつ、見映えがいいので手抜き感が少ない(ないとは言わない)必殺料理が、我が家にはある。
紹介しよう。
「なんちゃってカルボナーラ」だ。

材料は、下記

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おじさん ドラえもんに泣く

おじさん ドラえもんに泣く

また「ドラ泣き」してしまった。
新型コロナウイルスの第三波と言われる昨今、出歩くのは避けなければ……と思いつつ、「これだけは」という思いで一人で観に行った「STAND BY ME ドラえもん2」のことだ。

僕のようなアラフィフのおじさんにとって、「ドラえもん」は特別な作品だ。
何しろ、初めて自分のお小遣いで買った本はドラえもんの1巻。初めて劇場で観た映画は「ドラえもん のび太の恐竜」(ドラえもん

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サラダって何?

サラダって何?

糖質を控えめにするダイエットをしている。
炭水化物を控えて、サラダを食べるよう心がけている。

そんなある日、ふと思った。
……サラダって何?

世の中には、「マカロニサラダ」というものがある。
ほぼ炭水化物だ。
だって「マカロニ」は小麦から作られていて、「パスタ」の一種なんだから。
申し訳程度にタマネギのスライスが入ってたりするが、あれをもって「生野菜」扱いとは、さすがに無理があるんじゃないだろ

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安いのに絶品! 「鶏すき」と「〆のカレー」

安いのに絶品! 「鶏すき」と「〆のカレー」

「ビーフカレー、牛肉抜きで」
かれこれ20年くらい前、カレーの専門店でそう注文する職場の先輩がいた。
注文したカレーに肉が入っていたりすると、「ちぇっ。……これやるよ」と、食べる前に僕にくれさえした。
不思議に思って聞くと、「オレ、牛肉食うと下痢になるんだよ」とのこと。
「じゃ、ビーフじゃないカレーにすればいいじゃないですか」と言うと、「でも何つーか、肉のエキスが入ってた方がルーは旨いんだよ」と答

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寒い日に… 身体が温まる! (禁断の)サッポロ一番

寒い日に… 身体が温まる! (禁断の)サッポロ一番

あまりにもお手軽で美味しいので、これからの季節、我が家の昼の食卓にヘビーローテーションで上るメニューがある。
「特製・サッポロ一番みそラーメン」。
なんだサッポロ一番かぁ、とか、定番だよねー、とか思うなかれ。
「特製」というところがミソなのだ(注・ダジャレではない)。

そのまま調理したのでは若干、手抜き感が漂うインスタントラーメンだが、ちょっとしたひと手間で劇的に美味しくなる。
身体がぽかぽか温

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“貧乏神”と歩んできた人生

“貧乏神”と歩んできた人生

振り返ると、いつもあのゲームで遊んでいた。
僕の人生には、そんな特別なゲームがある。
「桃太郎電鉄」。
言わずと知れた、すごろく系ゲームの「ど定番」である。

出会いの印象は、弱かった気がする。
第一作の発売当時、僕は高校生。小学生の頃から週刊少年ジャンプを愛読し、ドラクエなどファミコンのゲームの進化と一緒に育ってきた世代だ。もちろん、「桃太郎電鉄」は発売と同時に購入した。
ただ正直なところ、やっ

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やさしさについて(びろうな話です)

やさしさについて(びろうな話です)

「強くなければ生きていけない。優しくなければ、生きていく資格がない」。
そんな名台詞を、昔、聞いたことがある。中学生の頃だったと思う。
カッコいい言葉だと思った。
僕は強くないので、せめて優しくなりたい、と思った。

それから数年たち、大学生になった頃。
僕は「優しさ」ってものに、ちょっと屈折した感情を持つようになっていた。
先に言っておくが、多分に、自分がもてないが故のヒガミである。
その頃、僕

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昔、友達の隣でビールを飲みながら考えたこと

昔、友達の隣でビールを飲みながら考えたこと

「挑戦」という言葉は、重い。
そこには、「ちょっとやってみた」とは違う響きがある。
毎日休まずに練習した、夜も眠らずに働いた、他のすべてをなげうって取り組んだ……
そんな悲愴感のようなものがつきまとう。

だけどその努力は、いつも報われる訳じゃない。
……実はきっと、そんなに肩肘張らずに、気軽に、楽しんで、無理なく取り組む方が理にかなっているんだろう、と正直、思う。
いまどき「挑戦」なんて流行らな

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寧静の流れ 闇を舞う光

寧静の流れ 闇を舞う光

その街を訪ねた理由は、蛍だった。
田んぼの中を走るローカル線を降りると、そこは山間の古都、山口県山口市。
街を流れる一の坂川ではこの季節、ゲンジボタルが見られるという。

地図を頼りに歩くと、川はすぐだった。岸の桜が影を落とすせせらぎに、悠々と鴨が泳ぐ。
幕末、志士たちが行き交い、新しい時代のために多くの血が流れた歴史が嘘のような、長閑な風景だ。
カフェに入り、夜が更けるのを待った。

文庫本から

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『表参道のセレブ犬…』の意外な内容

『表参道のセレブ犬…』の意外な内容

不意打ちを食ったような気持ちだ。
ちょっと文章のうまいタレントが書いた、旅のエッセーだと思っていた。
とんでもない。
いまの日本を生きづらいと思う、もっと言えば、30年前の日本より今の方が生きづらくなっていると思う、そんな社会への違和感のようなもの、自分の中のコンプレックスみたいなものを、ふわっとすくわれた気分だ。

そうしたものから逃げるように、あるいはそうしたものと闘うために訪ねた、キューバ。

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