レファレンス
#note100本ノック
Day 86
大学院のころに、
大学図書館のレファレンスにとてもお世話になった。
授業で使いたい本は原作がハンガリー語の絵本の、
英語翻訳版だった。
しかしすでに廃盤になっており、
自力では探すことができず、大学の図書館に相談に行ったのだ。
数週間以内に手に入れたい、というわたしの無謀にも思える依頼に、あるレファレンスの方が応えてくださった。
結局ハンガリーの伝手をたどって海外から、しかもわたしが指定した日時までに取り寄せてくださったのだ。
のちに論文になって
それはM1のころのできごとだったが、M2になって海外の絵本の研究をすることになったわたしは、学生希望図書の上限7冊をすべて、Swimmyの各国翻訳版で申請した。
その年も図書館にお世話になりっぱなしだったのだが、その頃になって、
と尋ねられた。もちろんどうぞ、と答えた。
とある書誌に載ったと連絡をいただき、読ませていただいたわたしは初めて、
こんな経過を、しかもあの短時間に経て、わたしのもとに絵本を届けてくださったのだと本当に感謝しかなかった…。
レファレンスがあきらめたら…
このできごとを、司書をしていた友人に話すと、
と言われた。そのレファレンスの方の記した文章には、こんな一節があった。
こんな哲学をもって、仕事に臨むレファレンスさんに出会えたわたしは、ほんとうに幸せだった。