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ヘンテコな中学生は、不可能の認識が弱い
ヘンテコな中学生だったわたしが担任に嫌われた原因はこれかもしれないと思うので、彼の名誉のために書いておこうと思う。
わたしは7月に横浜の中学校に転入した。7月まで在籍していた鎌倉の中学校では8月にキャンプが予定されていて、1学期はキャンプに向けてグループ分けや企画など、いろいろな準備が進められていた。
転校が決まっていたわたしは残念で残念で…。みんなとキャンプに行きたいなぁ…と。そしてヘンテコなわたしは、親に相談もせずに、ある行動に出る。
転校した生徒はキャンプに参加できないの?
わたしが鎌倉の中学校を去ったのは、忘れもしない7月5日(土曜日)。日曜日をはさんで7月7日に横浜の中学校に転入した。(覚えてるのがコワイと言われるが)
終業式まで残り10日あまりという時期。夏休み中に行われるキャンプの準備は、すでに大詰めな状況だった。ここまで一緒にやってきたみんなとキャンプに行きたい、という気持ちが強く、「普通」は強くても、そのまま去るんだろうけど、わたしは担任にその気持ちを訴えた。
担任はとても朗らかな体育の男性の先生で、柔軟にわたしの気持ちを受け止めてくれた(驚き)。なんと、転入先の担任と校長が許可してくれたら、参加できるように手配する、と言ってくれたのだ。(この先生が柔軟すぎる…そんなこと可能とは思えないが、時代は昭和だった。)
元いた学校の夏休みキャンプに参加したいんです
細かい経緯は覚えていないのだが、その担任のことばを真に受けたヘンテコなわたしは、転入先の担任に申し出た。「元いた学校の夏休みキャンプに参加したいんです!」と。(面倒くさすぎる生徒…)
で、たぶん、校長室に一緒に行って、校長にも同じように申し出た。そこでは、先方がよいと言ってるならよい、というような展開になった記憶がある。
自分が先生になってからこのできごとを思い出すと、お金の精算とか保険とかいったいどうしたんだ、と思うのだが、とにかく周りの大人たちはわたしを止めることもなく、めでたくキャンプ参加が実現することになった。
ヘンテコな中学生はものごとの不可能さに対する認識が弱いので、やってみたいという強い想いで、とにかくそのときできる自分の最善を尽くす、という長所がある。大人になったいまでも、若干不可能そうに見えることにも、どこかに突破口があると根拠もなく信じている。これはヘンテコな子ども時代からの、ヘンテコな行動の積み重ねで培われた感覚である可能性が高い。
しかし、見方を変えるとこれらは「普通じゃない」行動で、周りにはそれを「強引」と感じ、受け入れがたいひともいる、という短所もあるようにも感じる。
この転入先の担任などはまさに、この強引な展開を切り拓く生徒に辟易した可能性が十分にあると思われる。笑
夏休みキャンプに参加
集合は早朝だったので、同じクラスだった友達の家に前泊させてもらい、転校したくせに元の中学校の夏休みキャンプにちゃっかり参加したヘンテコな中学生。キャンプはとても楽しかった。
ちなみにそのキャンプは、希望者のみ参加のものではなく、学校行事の全員参加のキャンプだった。
このわたしの冒険が実現したのは、鎌倉の中学校の担任の支えが大きかったように思う。器の大きな先生だったな〜若かったけど。令和の今でも、こんなこと実現できるんだろうか。難しそうな事案…。
そう考えると、ざっくりな昭和は平和で、ヘンテコにやさしい一面もあったのかな。