【絵本✖️ものの見方】『マドレーヌといぬ』
わたしは「絵本」を用いて学習者の「ものの見方」を育成することを目指しています。
絵本の原作と翻訳を比較することを通して、ものの見方を培う授業デザインをして、実際に授業をして学習者にどんな学びが起こったのかを調べることを主な研究のテーマにしています。それを「英語教育」として行えるかを考えています。
MMADELINE's RESCUE
Ludwig Bemelmans原作で、初版は1953年。Madelineシリーズの第2作で1954年にはコルデコット賞を受賞した絵本です。
Ludwig Bemelmans (1953) MADELINE's Rescue.Viking Press
私にとってもMADELINEに続くマドレーヌシリーズ。楽しく読みました。そしてそして、いつもの通り読んだ後に日本語翻訳版を探してみましたよ。
『マドレーヌといぬ』
ルドウィッヒ・ベーメルメンス作、瀬田貞二訳( 1973 )『マドレーヌといぬ』.福音館書店
タイトルは『マドレーヌといぬ』。マドレーヌといぬ、かあ…。
原作はMADELINE'S Rescue
犬に助けられたマドレーヌと、ちいさな女の子たちに助けられた犬。「Rescue」がとても大切な要素なんですけど…。
でもたしかに、じゃああなたなら日本語のタイトル、何にしますか?って言われたら
「マドレーヌの救助」
手に取りたい気持ちにはなれないかも
「マドレーヌ、助ける」
最初に助けたのは犬だしね
「マドレーヌといぬ」
あ、なんか読みたいかも…
これは、もしかして翻訳版を売るための戦略としては秀逸なのかも。この瀬田貞二さんの書く文章、好きだし。
って、こうなると批判的思考力働かせることできなくなるので、グループで話し合えたりしたらいいな。このタイトル訳について、わたしにはない「ものの見方」をする人に出会いたいです。