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Maverickの教官としての資質について考える
TOP GUN Maverickを映画館で7回観た上に、Amazon Primeで購入しエンドレスで観続けてしまう沼にハマってしまっているMAKIである。
せっかくなので、Maverickが「自分は教官ではなくパイロット」と苦しみながらもKidsに何を身につけさせていったのか、また彼の教官としての資質について考えてみたいと思う。
文部科学省の3つの柱で考えてみると
文部科学省は各教科の目標や内容を「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」の3つの柱で整理している。これをベースにしてMaverickの訓練を見てみる。
まず、「知識・技能」についてだが、Kidsに出会った瞬間にF18の分厚いマニュアルを提示し、これは頭に入っていて当然で、
So does your enemy.
それは敵も同じ、とゴミ箱に捨てるパフォーマンスをした。この訓練において、「知識」は身についていて当然というスタンスを示している。また、ミッションを行う地形等についても頭に入っている前提で訓練は続く。ここは知識を得る場ではない、ことは明確である。
次に「技能」であるが、これについては、Kidsは高いところから目標に向かって爆弾を落とすことには長けているが、今回のミッションで生還するのに必要なのは空中戦の技術であることを訴え、訓練時のルール(下限高度を下げること)の変更の必要性を訴えている。目的(ミッションの遂行と、無事に生還すること)に対して、足りない技能を判断し、その技能を身につけさせるための提案をしていることに感心した。
次に「思考力・判断力・表現力」であるが、何度も実践させ振り返らせる場面でKidsの「思考力」「判断力」を培う様子が見られた。うまくいかなかった飛行についての原因を考えさせるのだが、その原因を引き起こした判断について「その理由で遺族が納得すると思うか」と問う場面では、己の行動への責任を持たせ、まさに学びを「自分ごと」にさせているとも感じ、学びに向かう力の育成もここに含まれると感じた。
学びに向かう力・人間性等について
これはなんと言ってもビーチでアメフトを楽しむ場面が思い起こされる。(前作はビーチバレーであったが、今回はこの行動にすら深い意図が隠されている)
1秒を惜しんで訓練しなければならないときに何をやっているんだ、と上官に問われ、
You said to create a team, sir.
There's your team.
と答える。ミッションまで時間が限られているなかで、技能を磨くことはもちろん必要であるが、ミッションを遂行するために必要なこととしてチームをつくることをdogfight footballで行う…なんて、映画とは言え教員顔負けの手法である。
Maverick の教官としての資質
かつての仲間、Icemanの推薦ということで教官の立場に立ったMaverickであるが、教えることや危険な任務にKidsを送る立場であること(またRoosterとの確執)に葛藤している。それはIcemanとのやりとりで表現されている。
I'm not a teacher, Ice.
I'm a fighter pilot.
How do I teach that?
これに応えたIcemanのことばが秀逸。
The navy needs Maverick.
The kid needs Maverick.
IcemanはMaverickの一見破天荒なふるまいの奥にある資質を誰よりも理解していたってことだなあ、と。(こんなBossだったら最高。)
わたしはMaverickにはTeacherとしての資質を感じざるを得ないと思う。(単なる個人の見解です)。何度観ても、勝手にいろいろな気づきを得てしまう映画な気がするのだが、単にMaverickに恋してるだけなのかもしれない。でも恋してる欲目を差し引いても、彼はよい教官だな、とやっぱり思う。