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「呪詛抜きダイエット」とセラピーのこと

初回公開date: 2014年07月22日 21時02分
※内容は初回公開時のものです。

田房永子さんの「呪詛抜きダイエット」を読みました。

ウェブマンガで読んでいたころから「痩せようと思ってもどうせ痩せられないからムダと思ってしまう」とか「今の自分のままで良いんだと思ってしまう」とか、そういうところに共感して読んでいて、書籍化を楽しみにしていました。

このマンガは、ダイエットのお話というよりネガティブになる気持ちとの決別がメインです。
自分で自分を卑下する気持ちってなかなか拭えない。例えば「ダイエットで効果が表れにくくても前向きにやっていけば結果がでるから!」って周囲から言われても「どうせ無理だよこんな私なんだし」って自分の気持ちのほうが勝ってしまう、とか。

この『呪詛』を抜くために、主人公のエイコはいろいろなものにチャレンジしていきます。
催眠療法、前世療法、箱庭セラピー、ゲシュタルトセラピー…等々。
こういうセラピーが気になっているけど受ける勇気が出ない…っていう人も体験レポートとして読んで、受けるキッカケにするのも良いかなと思います。

ちなみに自分はこれらのセラピーはすべて経験済みです。
セラピーによって自分に合うもの・合わないものはあると思いますが、とりあえず思い切って受けて見るのはいいと思います。
そのうちの自分が受けたセラピーの話をひとつ書いてみます。

エイコが作中でゲシュタルトセラピーを受けるとき、「食べ過ぎてしまう原因を知りたい」という本当に原因を知りたいことを言うまでかなりの時間を要しているんですが、『他人から見たらくだらないかもしれないけど、自分の心に引っ掛かっている悩み』って、本当に言えないんです。
私にとっての『他人から見たらくだらないかもしれないけど、自分の心に引っ掛かっている悩み』のひとつに「女らしいもの・女らしいことに抵抗がある」というものがありました。
ピンクピンクな洋服とかひらひらしたスカートとか化粧をバッチリするとか、そういうものが自分には絶対に似合わないだろうってずっと避けてきて、暖色系の服より寒色系やモノトーンの服を着たり、スカートよりパンツスタイルのファッションが多かったんです。
私はゲシュタルトセラピー(に近いセラピー)を受けて、これを少し克服しつつあります。

私が受けたのは相手の立場になるという工程はなくて自分の過去の感情を吐き出すというのがメインだったのですが、そこで出てきたのは、高校だった当時に流行っていた女子高生スタイル(ルーズソックスにミニスカート)をしてみたかったという過去の感情でした。

私の高校は校則が厳しくて、ルーズソックスもミニスカートも、もちろん化粧も厳禁でした。
自由に女子高生スタイルを楽しんでいる他校の同級生を羨ましいと思う感情を抑圧して「ああいう格好は女を強調していてはしたない」という感情にすり替わり、やがては女性らしいものへの拒否に繋がってきたのだということがわかりました。

セラピストさんに「その頃の自分に戻って、そのときの気持ちを吐き出してごらん」と言われ「ルーズとかミニスカートとか履きたかった、ああいう格好をしてみたかった」と口に出した途端、涙がバーッと溢れました。

なんてことない言葉かもしれませんが、それが自分の心の中にずーっと引っ掛かっている『呪詛』だったのです。

あることをしようとするとネガティブな気持ちになってしまうとか、直そうと思っても直せないことって、無理矢理に矯正しようとするより、自分の気持ちを塞き止めているものを見つけることがまず第一なのだなと思います。
それによって、自分をもっとポジティブに受け入れられるんじゃないかと。

「呪詛抜きダイエット」を読んで、自分をダメにする呪詛ではなく、自分にとって良い言葉を取り入れていこうと改めて思いました。