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永山マキ
2018年7月5日 11:08
学校に一人くらいはいたのではないだろうか。一日中、ヒトコトもしゃべらないような影の薄い子。彼女は、チョークの粉が黒板から落ちていくのを見つめる。机の上に空気の影が動くのを見つめる。するとあっという間に学校終了のチャイムが鳴った。学校で起こったことはほとんど覚えていないがチョークの粉が落ちていく間に彼女は数日分のようにも感じられる長い長い物語を想像していた。