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カズラ島散⾻記⑤ 散⾻準備

2023年5⽉、カズラ島での散⾻が
再開されていることがわかり、
早速申し込んだ。実施は9⽉。
3回忌を過ぎてようやく…だが
⼀つ問題があった。

⺟の⼊浴時の事故死を、
⽗は ⾃分のせいだと責めてしまい
⺟の死をご近所はもちろんのこと
友⼈知⼈親戚に知らせないでくれと
懇願されていたのだ。

化学療法で体⼒が弱っていた⺟を気遣い、
その⽇も⽗は、⼊浴中の⺟に途中で
声かけをしていた。
⼤丈夫よ、と返事があってから
しばらくしてもあがってくる様⼦がないので
浴室に⾒に⾏ったら既に……だったのだ。
⽗のせいなんかじゃない。
誰も⽗を責めたりなんかしない。 
それでも本⼈は、悔いが残ってしまうのだろう。

隠岐の島は島根県。
⺟の郷⾥は⿃取県の⽶⼦。
親戚も⽶⼦周辺に在住している。
隠岐の島に⾏くのに、⽶⼦を素通りするわけには
⾏かないし、この機会を逃す⼿はない。

兄も私も、もう⻑いこと親戚と連絡を
取り合うことはなかったし、
⺟の死がどこからか伝わっているのか
どうかも全くわからなかったが、
とにかく謝るしかない。

そして、⺟の両親は離婚後
それぞれ再婚しているので
親戚関係もかなり複雑になっている。
誰に連絡を取ればよいのかも迷いつつ
思い切って連絡した。

厳しく叱られても当然と覚悟していたが、
誰もが連絡を喜んでくれ、ぜひ会いたいと
⾔ってくれたのだ。何てありがたい︕


散⾻をするにはまず、遺⾻をパウダー状にする
必要がある。
実家に置きっぱなしだった⺟の遺⾻を
葬儀会社に送り、粉⾻依頼をするのだ。


運搬用ケースが到着


お母さん、お待たせごめんなさい


そういえばそういえば、すずらんの模様の骨壺だった


隙間には緩衝材を入れて、骨壺箱が動かないように固定して運搬(ゆうパック)

そして、いよいよ隠岐の島へ︕
船がうまく出航できますように…︕と
祈りつつ、⽶⼦⾏きの⾶⾏機に乗った。

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