いいかどうかでなく、合うかどうか。
私が子供たちを自分の知り合いなどに会わせるのは、もともとは単に自分が出かけたいからだった。
子供たちが小さい頃はひとりで出かけるわけにも行かず、連れて歩いていた。
小さい間は特に、子供だというだけでかわいがられたりもしていたし(迷惑だった人もいるだろうけど)、息子はちょっと人見知りしていたけど、娘はちやほやされるのを楽しんでいたし。
気兼ねなく話せるような大人がたくさんいるところに連れて行くのは、私がちょっと休めてリラックスできる手段でもあった。
でも、連れてまわっていたら、子供たちは家では見せない顔を見せたりするし、子供同士で仲良くなったりもするし。
何より、保育園や小学校でいろいろあったり、考えの偏ってるような方などがいて、世間一般に合わせるのは危険だなぁと思ったとき、私ひとりで育てるよりいろんな大人を見せた方がいいと思った。
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私は私のいいと思う育て方などをしているつもりだけど、知っていることも経験もたいしてなく、自分の好みだけだと偏る。
いくら勉強しようが、子育ての流行などに乗ろうとしようが、それがほんとにいいかもわからないし、何かに頼ったり傾倒するのはリスクが大きい。
私ができることや教えられることはあまりないけど、いろんな人に会わせて、そこから吸収してもらうことはできる。
そんな風に、私ひとりでできないことを、人の手や知識経験を借りつつやれるといいと思ったし、私が知っているのは自分の経験やそこで見聞きできることだけで、会社員という世界は狭いから、もっといろんな人を見ていろんな選択肢を知っておけるといいと思った。
自分が、いろんなことを知らないまた、なんとなく流れの中で選んだ気分でいるだけなのを、反省していたし後悔もしていた。
そういうわけで、子供たちをできるだけいろんなところに誘ったり勧めたりしてみているつもり。
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その割に、娘だけあちこち連れて行ったり勧めたりして、息子にはあまり勧めていないのは、息子には合わないからだ。
いろんな人と会うこと自体が息子に合わないとは思わないけど、娘みたいにおもしろい人に会えることを喜んだりしないし、よく知らない人と話すこと自体が苦手っぽい。
友達との関係性などを見ても、娘は一瞬で仲良くなるかお互い苦手で関わらないかほぼどっちかだし、合う人好きな人とそうでない場合がはっきりしているし、いろんな話題で話してみたり、新しく知り合うことを楽しんでいると思う。
息子は逆で、仲良くなるのにも時間がかかるし、逆にそんなに仲良くなくても断ったりも苦手だし、自分から話しかけるとか得意でない話題で話すのとかも苦手。
いろんな人と会ったりいろんなものを見たりするのはいいことだと思うけど、合わないことを無理に勧めてもうまくいかないだろうし、余計にいやになったりするだけだろうと思うから、せいぜい、こんなのあるよって言うくらいで、そんなに勧めたり誘ったりしない。
別に息子も合う人とは話すし、時間かけたり自分のペースで話すし、必要なときにはがんばれるから、むやみやたらに誘ったり勧めたりより、聞かれたら勧めるくらいで自分のペースにまかせるのがいいだろうと思っている。
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これに限らず、何かいいと思うことが、合う人とそうでない人がいるから、いいはずだからと勧めたりやらせたりするのは正しくないと思う。
何がいいかと考えるより、何が合うかだし、合うものや合う人や合うやり方は人によって違うから、自分で見つけるしかない。
そういう意味で、子育てって(子育てに限らず育てたり教えたりすることって)ほんと難しいに注意が必要だなぁと思う。
育てる側が、その人の基準や知識経験範囲によらずに、合うものを選べないといけない。
自分の子だろうが結局人のことだし、絶対合うなどとは言い切れないけど、だからこそ、これは絶対いいとか絶対合うとか決めつけないっていうのは気をつけていたいと思う。
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