伊那谷の水をめぐる夏(天竜川)
「夏、飽きたな」という言葉が口をついて出てしまうほど、梅雨明け以降、うだるような暑さが続きすぎている。暑いのが苦手だから山岳リゾート信州へやってきたのに…。いやいや、それでも湿気が少ない分マシなのかもしれない。
そんななか、この夏は水と触れ合う機会を得ることができた。ひとつは、飯田市の南信州リゾートが実施している、天竜川和船下り体験だ。乗船時間は約35分。最初はゆっくりだけど、徐々に”早瀬”と呼ばれる水の流れが速いポイントがいくつか現れ、そこを通過するときに水しぶきが舞うので、ちょっとした清涼感とスリルを味わえる。かといってラフティングほどアグレッシブではなく、いつもの恰好で気軽に体験できるのでとても良いなと思った。
もうひとつは、中央アルプスを源流とする、天竜川の某支流での山釣り体験。厳密には、玄人の釣り人について行き、その方がテンカラでイワナを釣るところを見学しただけだから、山釣り見学ハイキングと言うべきかもしれない。大雑把な性格&狩猟本能が低めなので、魚との緻密な駆け引きが肝となる釣りはあまり得意ではないけど、見るのはとても楽しいと分かった。山釣りのフィールドである透き通った清流は、ひんやりした空気と副交感神経を刺激する水音を絶えず与えてくれ、そばにいるだけで癒し効果大。
そしてなによりイワナの体表の美しいこと……!
今までは、夏の遊びといったら山か海の2択だったけど、伊那谷の水のめぐりを感じられる川遊びもいいものですね。