信州定点観測byMM

2017年冬に千葉県から長野県松本市へ移住し、2019年秋から長野県伊那市で暮らしています。伊那谷を中心に信州で体験したアレコレを気まぐれに投稿します。紙媒体出身のライターですが、新たな生業も模索中。興味あること:グルメ(とくにパンと野菜)、スポーツ観戦、スキー、登山、音楽

信州定点観測byMM

2017年冬に千葉県から長野県松本市へ移住し、2019年秋から長野県伊那市で暮らしています。伊那谷を中心に信州で体験したアレコレを気まぐれに投稿します。紙媒体出身のライターですが、新たな生業も模索中。興味あること:グルメ(とくにパンと野菜)、スポーツ観戦、スキー、登山、音楽

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最近の記事

伊那谷の水をめぐる夏(天竜川)

「夏、飽きたな」という言葉が口をついて出てしまうほど、梅雨明け以降、うだるような暑さが続きすぎている。暑いのが苦手だから山岳リゾート信州へやってきたのに…。いやいや、それでも湿気が少ない分マシなのかもしれない。 そんななか、この夏は水と触れ合う機会を得ることができた。ひとつは、飯田市の南信州リゾートが実施している、天竜川和船下り体験だ。乗船時間は約35分。最初はゆっくりだけど、徐々に”早瀬”と呼ばれる水の流れが速いポイントがいくつか現れ、そこを通過するときに水しぶきが舞うの

    • 約100軒の山小屋をリアル取材した雑誌『PEAKS』の「北アルプス山小屋大全2024」特集。デジタル隆盛の今だからこそ読む価値アリ(北アルプス)

      7月12日(金)、山旅専門誌『PEAKS』(ADDIX)の最新号が発売された。 その大特集は、 「北アルプス山小屋大全2024」。 北アルプスには約100軒の山小屋が建っているわけだが、この特集には編集部員やライターが実際に足を運んで得た各小屋の情報が、100ページ以上にわたってまとめられている。取材は昨年の夏から秋にかけて行われ、私もいちライターとして3つの山小屋を取材した。 じつはこの特集は、13年前に発行された『PEAKS』2011年7月号のリバイバル版。私の記憶

      • 都会から信州を眺めてみる(東京・蔵前)

        つい最近、家族会議のため千葉の実家へ帰省した。都内へ到着した日は実家へ直行せず、富山のガラス作家の展示へ足を運んだり、かつての同僚と飲んだりと満喫。夜は前々から利用してみたかった蔵前のゲストハウス「Nui.」に一泊してみた。トップの写真は、その翌朝に宿の近くから眺めたスカイツリーだ。 東京やその周辺には、連絡をすれば会える友人や知人がたくさんいる。それでも、なんとも言えないアウェー感が拭えないのはなぜなんだろう。この感覚は今に始まったことではなくて、社会人になって東京に住ん

        • 待望の季節がやってきたpart.2(伊那市)

          山菜、新芽、菜花が一斉に姿を現し、食材も豊かになる春。このときを逃すまいと、日々、胃も忙しく働いてくれている。フキノトウ、コゴミ、ワラビ、セリ、ウドなどなど、春になってからさまざまな食材をいただいてきたけど、いまのところ一番のヒットはセリだ。見た目は地味なくせに、口に入れた瞬間、その上品な香りで存在感を主張するのがズルい。あの香りをうまく言語化できる語彙力を鍛えたい。 話は変わって、近所の田んぼにもついに水が入った。 もちろん湖や川も近くにはあるけれど、これだけ視界に水が入

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          2本

        記事

          待望の季節がやってきたpart.1(伊那市)

          サクラはもちろん素敵だと思うけれど、私はやっぱり、サクラが散った直後の季節が大好きだ。透明感のあるグリーンが一斉に現れる、新緑の季節が。 一年間、この季節がやってくるのを本当に心待ちにしている。ということで、今しか味わえない生命力に満ちたこの風景を、仕事の合間にカメラで撮ってみた。 どこを撮っても絵になる~!! タイトルにpart.1と書いたのは、GW後の田んぼに水が入る季節も大のお気に入りで、それをまたレポートしたいと思っているからだ。 いやはや、最高です。

          待望の季節がやってきたpart.1(伊那市)

          ダムが気になる(伊那市)

          伊那市でも、いよいよ桜が満開を迎えた。お花見のメッカ、高遠城址公園の南側にある高遠ダムでは、桜色のライトアップが始まっている。この高遠ダムは昭和33年に作られたもので、発電や農業用水に使われているという。さらにおもしろいのは、この高遠ダムの水は約10㎞のトンネルを経由して春近発電所という県営最大の水力発電所まで流れていて、発電用水として活用されているということだ。 高遠ダムから北に2㎞ほど行くと、高遠ダムと同じ昭和33年に作られた美和ダムがある。美和ダムもなかなか魅力的なダ

          ダムが気になる(伊那市)

          街のすぐそばにある森へ(南箕輪村・大芝高原)

          今日は、週の始まりであり、年度の始まりでもある特別な日。個人事業主である私にとっては、さして変化のないただの一日ではあるけれど、それでも朝からなんだかソワソワしていた。 困ったことに、やるべき仕事があるのにまったく捗らない……。そこでPCをパタンと閉じて、最寄りの森へ出かけてみた。南箕輪村にある、総面積約100haの大芝高原内に広がる森だ。 大芝高原では、南側50haほどの敷地が森林セラピーロードとして整備されていて、アカマツやヒノキなどの針葉樹が生い茂る森のなかを歩くこ

          街のすぐそばにある森へ(南箕輪村・大芝高原)

          小麦畑で小麦を踏んできた

          長野県で暮らすようになって大きく変わったことのひとつは、パンに対する探究心が大きく芽生えたことだ。パン専門店で購入した5枚切りの食パンを毎朝トーストして食べるだけでは飽き足らず、先日は、とあるパン職人たちが長野県内の畑で行っている小麦づくりに図々しくも参加してきた。 3月上旬に小麦畑で行われたのは、麦踏みという作業だ。まだ長さ20㎝前後しかない小さな小麦を、ギュっギュっと踏みつけていく。「なんて無慈悲な」と思ったけれど、これをするかしないかで実の付き方が全然違うらしい。スト

          小麦畑で小麦を踏んできた

          余白が活かされている街(辰野町)

          下諏訪郡辰野町は、日本の中心かつ、「南信」「伊那谷」と呼ばれる地域の最北端に位置する、人口2万人弱の小さな町だ。商店街には、シャッターが閉まっている店舗が多い。一方で、リノベーションによって生まれ変わった店舗がポツポツと点在している。 今回、用事の前に立ち寄ったカフェ「ハイファイブコーヒースタンド」も、そんなリノベ店舗のひとつ。松本に本店があるおしゃれカフェで、辰野店がオープンすることを知ったときは驚いた。 グリーンをぐるっと取り囲む六角形のテーブル席に座り、ラテアートが

          余白が活かされている街(辰野町)

          信州は私に新鮮な食材のおいしさを教えてくれた(飯山市)(伊那市)

          ちょうど6年前の今頃、私は千葉から信州へやってきた。幼い頃から親の仕事の都合で全国各地を転々としてきたが、信州には一度も住んだことがない。縁もゆかりもない土地だ。 フリーランスになって間もなく「関東を拠点にしなくても仕事はできるな」と思い、移住計画を立てた。その当時、スキーにはまっていたことから信州が有力候補に。そして最終的に、白馬にも行きやすい松本市を選んだ。 じつは移住先の候補地には、飯山市や今住んでいる伊那市も入っていた。それでも松本市を選んだのは、都内へのアクセス

          信州は私に新鮮な食材のおいしさを教えてくれた(飯山市)(伊那市)

          DJ KOOが降臨したあるコロナ禍の夜(阿智村)

          私にとって、一生忘れられないライブがある。 「なにを大げさな」と思われるかもしれないけど、2020年夏というコロナ禍の真っ只中、標高1400mの山の上にDJ KOOさんが降臨し、満天の星空の下で繰り広げたパフォーマンスは、本当に心を打つものだったのだ。 阿智村は、恵那山の東麓、伊那谷の南端に位置する山深い村。環境省の「全国星空継続観察」で"星がもっとも輝いて見える場所"の第1位を記録したことから、国内有数の天体観測スポットとして知られている。 そんな阿智村には、星空のナイ

          DJ KOOが降臨したあるコロナ禍の夜(阿智村)

          映画『ゴジラ-0.1』公開直前まで開催されていた展覧会「映画監督 山崎貴の世界」で感じた驚きと映画鑑賞後の納得感(松本市)

          松本市出身の映画監督、山崎貴氏が手掛けた映画『ゴジラ-0.1』が公開がされて、1か月以上経った。 公式発表によると、国内では11/3~12/10の38日間で観客動員数270万人、興行収入41.5億円。12/1に公開された北米でも好調のようで、10日間で約2500万ドルを突破。2023年に北米で公開された外国映画ランキング(累計興収)において1位を獲得したらしい。(12/8に公開されたジブリ映画『君たちはどう生きるか』がどこまで伸びるか⁉) すでに以下のような賞も受賞し始めてい

          映画『ゴジラ-0.1』公開直前まで開催されていた展覧会「映画監督 山崎貴の世界」で感じた驚きと映画鑑賞後の納得感(松本市)

          嵐の翌日に出会った高山植物の記録(北アルプス・朝日岳)

          仕事上、山へ出かけることが多い。どちらかというと記録のためにカメラを持ち歩き、歩きながら気まぐれにシャッターを押している。よく山に持って行くのは、オリンパスの防水コンデジ「Tough TG-6」だ。 写真を整理していたら、そのカメラで撮った大量の高山植物のドアップ写真を見つけた。これは北アルプスの北端、朝日岳山頂付近に建つ朝日小屋という山小屋に泊まり、その翌日に撮り下ろしたもの。 TG-6には被写体に1㎝まで寄れる「顕微鏡モード」という機能があって、高山植物のような小さな被写

          嵐の翌日に出会った高山植物の記録(北アルプス・朝日岳)

          大正時代から続く天竜川のほとりの映画館(伊那市)

          伊那市内に映画館があることは、前々から知っていた。伊那市内を南北に流れる一級河川、天竜川のほとりに建つ「伊那旭座」だ。それなのに、これまで一度も観に行ったことがなかった。 映画には数か月に1回くらいの頻度で行っているけれど、シネマコンプレックスのある松本までわざわざ足を伸ばしていたのだ。 ところがつい先日、「伊那旭座には2階席があって……」という話を地元の人から聞いたことで俄然興味が湧いてしまい、勢いでそのワンダーランドに足を踏み入れてみた。 伊那旭座での映画鑑賞は、あまり

          大正時代から続く天竜川のほとりの映画館(伊那市)

          ふたつのアルプスが見える街(伊那市)

          長野県伊那市で暮らし始めて、丸4年が経った。 東に赤石山脈(南アルプス)、西に木曽山脈(中央アルプス)が聳えるこの谷間の街では、ふたつの山脈とともにある風景を日常生活の延長線上で楽しむことができる。 伊那市というより、辰野町から飯田市までに至る「伊那谷」として考えると、これほど高低差のあるダイナミックな自然に囲まれた地域は、ほかにないのでは? 4年経っても、この景色に飽きることはない。飽きるどころか、日を重ねるごとに感慨は増すばかり。 街から山を見上げて山を想い、山から街を見

          ふたつのアルプスが見える街(伊那市)