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#100 髪を切る!そして縮毛矯正

※この文章は2013年〜2015年の770日間の旅の記憶を綴ったものです

旅の第二弾をヨーロッパからスタートして以来、髪を切った回数 計4回。縮毛矯正1回。
ヘアカットをお願いしたのはチェコのプラハ、トルコのイスタンブール、ジョージアのトビリシ、アルメニアのエレバン。いずれも各国の首都(大都市で、その国では流行の最先端を行ってる、はず)で、いくつかのお店を吟味した上で「ここだっ」とピンときたところを選んだので、失敗するはずはなかった。だって、これまでにアジアで2回(バンコクカトマンズ)、南米でも2回(ブエノスアイレスアレキパ)カットしたけれど、どちらも最初の不安とは裏腹に、期待以上にうまく仕上げてくれたし。
ところが、ヨーロッパで最初に訪れたプラハの時点で、驚いた。
オシャレっぽいサロンで、切ってくれたのは若い女性の美容師さん。最初にシャンプーをして、ハサミを入れ始めたところまでは良かった。ところが途中から登場したのがバリカン。昔、刈り上げのベリー・ショートにしていた頃にはよく使われたけど、最近は、最後に襟足の毛を処理する時くらいしか見ることのないバリカン!それを使って、突然にカットの続きが始まった。「ヒ~!! なぜハサミを使わずにバリカン??」とはもちろん聞けず、ただひたすら呆然とされるがまま…、わたしの髪の表面にバリカンが当てられていくのを心の中で震えながら見つめていた。髪の表面を軽く仕上げる目的があったのかもしれない (好意的に解釈すると)。だとしたらその狙いはピッタリ当たった。その後のしばらくは、髪の毛がパッサパサに浮いて大変だったから。その後しばらくは、鏡を見る度に「ワカメちゃんだよこれ絶対…」と髪の軽さと裏腹に、心は重く落ち込んだけど…。
次に訪れたイスタンブールのヘア・サロンでは、この旅で初めての男性美容師だった。どういう理由かは分からないけれど、なぜかイスタンブールでは数多くのサロンを見かけたにもかかわらず、男性美容師ばかりの所が多かった。プラハの教訓があったので「バリカンが登場したら、すぐに止めに入らなければ!」と意気込んでいたけれど、最後まで登場することはなく。カットしやすいように頭を傾ける時の手の動きが「さすがに男の人だと力強いな~」と思うくらいで、他には女性の美容師さんの場合との違いを感じることはなかった。
ちなみにこの後に訪れたジョージアのトビリシでもバリカンは一切登場しなかったので、仕上げの処理がなされず、逆に襟足の生え際が目立ってきて困っている。普通のカミソリを使って、合わせ鏡で自分で処理するのはかなり大変なのだ。
この旅の中で最後のカットに訪れたのは、アルメニアのエレバンのヘア・サロン。前回のジョージアから一ヶ月くらいしか経っていなかったけれど、最初に日本を出てからちょうど2年目の6月30日を迎えたので、記念に最後のヘアカットをすることにしたのだ。ここでは若い女性の美容師さん。いつも最初に「だいたい何分くらいかかる?」というのを確認するのだけれど、「30分くらい」と言われたのが、結局1時間以上かかったので、かなり丁寧にカットしてくれたのかもしれない。カットの後にもう一度髪を流してくれたのも、日本ではいつものことだけど、海外では初めての経験だった(シャンプー等は使わずお湯だけだったけれど)。
この時はじめて「わたしの髪はアルメニア人とは違う?」と聞いてみた。
間髪入れずに「Your hair is very strong!」という答えが返ってきた。
そういえば旅に出る直前に、日本で行きつけだった美容院で馴染みのスタイリストさんに最後のカットをしてもらった時「日本人の髪の毛は西洋人に比べて硬いみたいで、慣れない美容師さんにとっては切りづらいみたいですよ~」なんて話しをしたのを思い出した。西洋人の髪を見ていると、もちろんフワッフワの猫っ毛の人もいるけれど、ゴワっと硬そうな髪の毛の人も結構多いような気がするのになぁ。わたしの中では「日本人の髪の毛が硬め」という意味がいまいちピンとこない。でももしかすると、前述のプラハの美容院で突如としてバリカンが登場したのも、そういう理由だったのかもしれないなぁ…と今更ながら思てみったり。
縮毛矯正にチャレンジしたのは、ジョージアの黒海リゾート、バトゥミ。
ただでさえ英語が通じづらい中で「縮毛矯正したい」ことを伝えるのがまず大変だった。でもなんとか身振り手振りと絵を描いて見せたりして意図を伝えると、いくつかの薬液とヘア・アイロンを見せられて「これらを使うと3~4ヶ月間は髪の毛がまっすぐになる」と言われたので、「それお願い!」ってことでお願いしてみた。
最初に料金を確認した時に「100ラリ(日本円で約5,500円)」と言われて渋い顔をすると、「じゃあ80ラリは?」と言われたので、ためしに「75ラリは…?」と聞くと「Special present for you!」と言って苦笑しながら応じてくれた。その後「Where are you from?」と聞かれ「Japan」と答えた時には、「ヘア・サロンで値切る外国人旅行者なんていないだろうなぁ…」と思うと、日本人代表としては、かなりバツが悪かった…。
この時も、懐かしいブエノスアイレスで縮毛矯正した時と同じように、二つ目の薬液をつけてアイロンをかけた後、髪の毛を洗い流すことがなかったので、その夜は一晩中強い薬液の匂いにうなされた (縮毛矯正した日の夜は頭を洗ってはいけないのだ)。
ちなみに、いつも支払いを終えた後「記念に写真を撮ってもいいですか?」と聞いてお願いしているのだけれどビックリしながらもみんな笑顔で応じてくれていた。けれどこのバトゥミのサロンで担当してくれた女性からだけは、断られてしまった。あまり言葉が通じない上、値切る面倒臭い客だ、と思われたのかもしれない…。
2年目記念のカットをしたエレバンのヘア・サロンの美容師さんは、一緒に写した写真を見せると「わたしもその写真が欲しい!」と言ってくれたので、Facebookで友達になって送ってあげた(なんとも現代的!)。彼女は「またエレバンに来たら、わたしのところに寄ってね」と言ってくれている。

プラハの美容師さん
トビリシのヘア・サロン
イスタンブールの美容師さん

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