母の転院日
母は脳梗塞になってから左半身麻痺で言葉も話せないし、ティースプーン1杯の水を飲み込める位にしか回復しないだろうとお医者さんに言われたけど
発症から2ヶ月後くらいにはある程度話せる様になり、半年経った今は少しだけ聞き取りづらいけれどちゃんと話が出来るまでに回復した。
鼻チューブから栄養を取っているけれど、リハビリを兼ねて口から食事を取ることも練習していて、1か月位前から、40分かけて小鉢くらいのお粥とおかずを自分でスプーンで口に運んで食べられるほどになった。
脳梗塞でお世話なった病院に入院していた時も、今日退院したリハビリ病院でとっても良くして頂いて
母はとても幸せな人だと思う
リハビリ病院ではリハビリの進捗報告で月に1度妹と病院に行って先生やスタッフの方々とお話が出来た。そしてその時は母も同席するから、結果として毎月母に会うことが出来ていた。
コロナ下でも毎月母に会えて話も出来るなんて、ほんとにラッキーだっていつも思う
母は退院したら私と一緒に、妹のうちの近くに住みたいと希望を持ってくれている
母の介護度からいっても退院することはまずなくて、自宅に帰るのではなく今日から老人ホームへ転院
先月母に会った時、母は
体か動かない、自分で何も出来ない、麻痺していたところもリハビリを頑張ったから感覚が少しづつ戻ってきているからこそ痛みも出てきた
これからのことも不安で長生きなんてしたくないと泣いてた
でも私と妹でその母の気持ちを受け止めることは出来たと思う。
そりゃあ愚痴のひとつも言いたくなるだろうし、今まで入院していて、弱音を吐く機会もなかっただろうし
去年父もなくなってしまったこともあるし、母にはもう少し私達のそばにいてほしい
介護を私達娘がしなくてもちゃんと母をみてくれる施設が見つかったので今日転院。リハビリ病院は5か月程度しかいられないと最初から説明を受けていたので転院先を妹と見学して決めた母の転院先。多分終の棲家になる場所。
いいところだとは思うけど、もし万が一、母がそこにいたくないという様な状況になったとしたら、また次の施設を探せばいい。そのくらい楽に考えている。
今日転院した老人施設はドア越しだけど面会も出来るから、母の妹である叔母もやっと母に会えることになる。
今までは面会は月に1度、30分程度、人数も2人だけだったから叔母と母は半年会えていなかった。今までは毎日電話で話しているくらい仲良しだから、二人が会えるだけでもありがたい。
コロナも気をつけつつ、私達娘や、叔母や、孫たちが短時間だとしても会いに来てくれたら母はきっと喜ぶ
母の35年勤めた会社が合併になるときに退職金が出て、それを私の留学費用と、妹の短大&専門学校の費用にあててくれた
留学してみるとお金持ちのおうちってほんとにあるんだと度肝を抜かれるくらいの人たちもたくさんいて、
留学先の大学についたばかりでポルシェ買ったり、週末にみんなでメキシコまでクルージングとかしてて
一般家庭出身の私は切り詰めるところは切り詰めつつも、いろんな経験をさせてもらった。
私が離婚して、子どもをおいて実家にひとりで帰ってきたときも、優しく「お帰り」って迎えてくれた両親。
前に読んだ本に書いてあったように、きっと私はこの両親を選んで産まれてきて
たくさん愛情をもらって
今は少し親孝行が出来てるかなと思う
そして私の子どもたちも、きっと私をお母さんに選んで産まれてきてくれたんだろうな
亡くなった父も、今もそばについていてくれている気がする
今日は転院先の、母の部屋を飾るものをいくつかもってきた
ラベンダーのディフューザーで香りを楽しんでくれるかな、とか
鏡とプラシもシンプルなものを選んでみた
来週は私の子どもたちも一緒に母に会いに行ってくれるから、その時に母の日のプレゼントをしようかな
母の部屋に置くものを選んでるとき、
妹や叔母と準備をしてるとき、
父の笑顔が浮かんだり、珍しく夢に出てきた父が、いつものようにはにかんだような顔で笑ってたり
これから先のことはわからないけれど、今日の事をずっと忘れないと思う。
母が弱音を吐いてみたり、私が子どもたちを連れて来週来ることを伝えた時に目をキラキラさせて、
でもしばらくしてから「こんな身体になってしまったところを孫たちに見せたくない」と涙ぐんでわがまま言ったり
父が亡くなるまでは、本当に父が亡くなると思えなかった。
なんとかなるんじゃないかと考えていた。
でも父は人生を全うしたんだと思う。
だから母と会える機会を出来るだけ作っておくつもり。
あの時に会っておけばよかった、という後悔をなるべく少なくしたい。
母に、一人じゃないってことを感じて、少しでも安心してくれるといいな。
母の部屋のカレンダーに、子どもたちと会いに行く日を書いてハートのシールを貼ってきた。
今日も納得のいく一日になった。
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