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【同人】コスモテックさんでトンデモブックケースを作った話①

!本記事は二次創作の同人誌(BL)制作に関するものです!
!二次創作BL同人にご理解のない方は閲覧しないでください!


コスモテックさんとの出会い

出会いは2023年の年始。友人が「コスモテックさんの箔がヤバイ」と見せてくれた年賀状がきっかけでした。

https://x.com/makima_dc/status/1610208149759463430

※自分の別垢です。この時点で撮らせてもらったのは友人の年賀状で、私もこの翌年から年賀状に申し込むように。

あまりにも美しい箔に「いつかコスモテックさんで何かやりたい…」とぼんやり思い続けてたものの、ゴリゴリ漫画を描くタイプのオタクだったのでなかなか装丁を凝っている時間がなく。
いつか再録本とかやるときに何かやりたいなぁ…と思って実現に移せたのが2025年2月のイベントでした。

仕上がったもの

さて、言うて一番気になるのが装丁だと思うのでさくっとお見せします。

ヤバくないですか…?

いや、ほんとやばくないですか…?!?!?!

ヤバすぎないですか????????????????

今回箔押しの現場立ち合いもさせていただいたのですが、エンボスが最後に押された結果を見た瞬間「わー!!!」と声が出てしまいました…

仕様

使用した箔:消銀2B、グリーンレイク、ディープオレンジ、エンボス
用紙:箔守-FS<100>+ビオトープGA-FS フォレストグリーン<210>
デザイン:めとろ様(https://x.com/metro000)
箔押し:コスモテック様(https://note.com/cosmotech)担当:青木様
合紙、ブックケース組立:西村謄写堂様(https://nishimura-p.jp/

メインキャラのイメージカラーがオレンジ×緑だったのでこちらはマスト。主線を表現するのにシャンパンゴールド系を使いたかったので3種必要だなと思い、それだけに飽き足らずエンボスを使いたい!と我儘装丁にした結果こんなことに。正直やりすぎた。

攻め箔

コスモテックさんで箔押しやりたいぞ!と思って調べてから見つけた”攻め箔”というもの。なんぞこれは…?初心者でもやれるのか…?と思って青木さんに相談乗ってもらい、なんとテスト3回も経て無事デザインに取り入れることに成功しました。

データの造りも説明されてるもののいまいちピンと来なくて、デザイナーのめとろさんと試行錯誤の末生み出した攻め箔がこちらです。

マント裏全面に模様の攻め箔
膝パーツもさりげない攻め箔で質感を
こちらの肩も、キャライメージでデザインを変えた攻め箔です

0.07pt~0.09ptまで試したんですが、0.07のテスト時点だと模様が分かりづらかったので全て0.09ptでやってます。
細かいテスト対応やデザインを作り上げてくれためとろさんにはただただ感謝です…ありがとうございます…!

用紙とエンボス加工

上記にある通りこちら「箔守」という用紙と、裏紙にビオトープという用紙を”合紙”という形で貼り合わせています。
ブックケースにしようとなった時に、強度の関係で二枚合紙の方が良いとブックケースの組立て&用紙提供&再録本体の印刷を依頼した西村謄写堂さんよりご教示いただき、且つコスモ青木さんからも「黒に箔押ししたいなら箔守がお勧め」と言われたのでこの選択を。
どうも黒の用紙に含まれるカーボンが箔の金属成分と反応してしまい、酸化して腐食してしまうとか…早いと1年で出ちゃうらしく「それはアカンやろ!」と箔守を選びました。でも同人誌で使ってる人はほぼいないらしいです。…え、永久保存版に…したくて…(同人ならではの我儘)

そして裏紙をどうせ付けるなら、キャラクターのイメージカラーである緑を選択。こちらは4~5種類くらいをテストし、実物を見て「これが一番キャラに合ってる!」と即決しました。
(ちなみに特装版の再録本体はオレンジ小口染めなのでイメージカラーのバランスも良いと思います。これは別の記事でご紹介します)

合紙+エンボスにすることで紙の質感も良い感じになりました。

裏面から見たエンボス凹面

エンボスについては動画の方が分かりやすいと思うので、よろしければ併せてこちらも見てやってください。

ちなみにこれ、ビフォーアフターがすごくて。
エンボスかける前はちょっとわかりづらい感じになってるんですが…

エンボス・オレンジを載せる前

線画もツブレてて分かりづらいですよね。
本音を言うとこの時点ではちょっとハラハラしてました笑

エンボス・オレンジを載せた後

見てくださいこの…一気に増した立体感…!

その場にいた私、青木さん、デザイナーのめとろさんと三人で「ワーッ!」と歓声を上げました。その後ずっとみんなでこの肩の装飾触ってた。触りたくもなる。

コスモテック青木さんよりご紹介文

今回の件をぜひnoteにまとめたい!とお話したら、なんと青木さんから「ぜひ紹介文を書かせてほしい」とこんなご紹介文頂戴しました!

『 これは100%実物をお手に取っていただきたい! 』

まきさんとデザイナーさんがコスモテックの現場で箔押し立ち会いを行い、加工の精度確認をしてくださいました。
その時、まきさんから一言。

まきさん「 青木さんと仕様のやりとりを11月からはじめて1月の今日まででなんと100回以上もやりとりしているのですよ! 」
青木  「 な、なんと…… 100回も…… そんなにですか!? 」

それもそのはず、今回 まきさんからご依頼いただいたスリーブは 『 前代未聞の箔押し設計 』 なのでした。
スリーブ全面に超繊細な図案が配置されており全面3色の箔押し。しかも全面エンボス( 浮き出し )加工。 さらに、挑戦しているのがコスモテックの推し箔表現 『 攻め箔 』 をデザインに取り入れているのです。『 攻め箔 』 は全面3色( 3版 )に使用しており、とにかく秀逸なデザインです。

『 攻め箔 』 の着地点を探すテストを加工立ち会い当日までに3回ほど行い、まきさんとデザイナーさんと一緒になって図案に最適な 『 攻め箔 』 による線の出方などを見つけ、加工に挑ませていただきました。箔押しとエンボス( 浮き出し )加工については まきさんがきっとその興奮をまとめてくれるかと思います。

私(青木)からの大切なポイントを語らせていただくとしたら、まきさんの 「 今回の作品をお手に取ってくださる皆さんに大切にしてほしい 」 というまきさんの思いが強くあるということです。 紙は 『 箔守-FS 』 という箔押しのために開発された黒の特殊紙を今回使用しています。通常の黒紙( カーボン )とメタリックのアルミ箔は化学反応( 湿度や保存状態によって )で箔が腐食( 錆びる )してしまうおそれが実はあります。

「 皆さんに長い年数大切にしていただきたい… 」 という まきさんの願いから 『 箔守-FS 』 を今回の作品では使用し、箔を腐食から守ってくれているのです。紙はもちろん、箔もエンボスもですが、今作は目に見えないような細やかな部分での読者様への配慮がぎっしり詰まっております。「 お手に取っていただいた瞬間からきっと まきさんやデザイナーさんの思いが伝わるのではないか? 」 と私は感じております。

まきさん、デザイナーさんと三位一体で作った全面3色箔、そしてエンボス加工。「 はっきり言って、ここまでやってのける作品はなかなかございません。 」 ぜひ、機会があればお手に取って愛でていただきたいものです。この度は製作・加工でお手伝いさせていただき、本当にありがとうございました。

100回以上のやりとりがあってこそです!

コスモテック 青木政憲

めちゃくちゃ丁寧且つ興奮が伝わってくるご紹介文…本当にありがとうございます!
「今週末までに文章作りますね」と言ってたのにその晩にこの文章届いたのには思わず笑ってしまいました。
青木さん、本当に寝てくださいね!!!
(100通↑やり取りしたメールの大半が即レスで怖かった記事主)

あとXの方でもめっちゃ細かく紹介してくださってます!感謝!

そんなコスモテックさんのnoteはこちら。

読みごたえ抜群です!特殊装丁好きな人はぜひ…!

今後の話

箔の立ち会いやら、実際にコスモさんに依頼した100通のざっくり経緯、印刷所さんとの奮闘etc…色々今後まとめたいと思ってますので、時間かかるかもしれませんが良かったらまたnoteチェックしてやってください!
今後同じようなことをやりたいって人の参考になれば幸いです。
※西村さんに依頼中のブックケース組立、再録本体の仕上がりも色々工夫してるので、それも併せて紹介できればと思っています。

まき

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