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俳優“松坂桃李さん”について語る

一番好きな俳優は松坂桃李さんです。
4年前、映画「孤狼の血」についてnoteを書いたことがありました。以降も、出演作を拝見するたびに、今回もいい仕事…!と惚れ惚れしています。

松坂さんの演技が、本当に好きでして。
“松坂桃李”という人間の感情をまるっとくり抜いて、一旦なかみを伽藍堂にして、そこに役の記憶や感情を注ぎ込む。…という作業を、新しい作品に取り組むごとに繰り返しているのではないだろうか?と思ってしまうほど、憑依型というのか、自然な演技をされるので、毎回出演作を楽しみにしています。
極端に“我が、我が”という欲求が低い方なのでしょうか?毎度(これが素なのかな?)と思ってしまう。なんだか“職人”っぽいですよね。ニュートラルなのか、すごく謙虚なのか。その役を“生きて”いる感じがする 。

「語る」なんて烏滸がましいタイトルを付けてしまいましたが、本当にこの役者さんが好きなんだよなああああという気持ち、特に最近はさらに仕事を頑張っておられるので(供給過多…!と嬉しい悲鳴をあげつつ)お体大事にしてほしいしプライベート(ご家族との時間)も大事に、と余計な心配をしつつ、素晴らしいお仕事ぶりを拝見するにつけこの感想はリアタイで書き溜めておきたい!そう思ってこのnoteを書きました。


ここ最近の怒涛の出演作リリース!ここ2年ほどめちゃくちゃお仕事されてたってことだな…?と震えています。米津玄師さんと星野源さんと松坂桃李さんは働きすぎすごい。プライベート時間確保できてますか??と心配になってしまう。

出演作が公開されるたびにインタビュー記事もどどっとupされるし。(ええこと言ってはるわ…と感嘆し、そして写真が良すぎる記事)


この1月、本当に“松坂桃李”の供給がすごかった!感想を書き留めておきます。

1. スロウトレイン[1月2日放送]

「野木亜紀子さん脚本」という時点で相当期待していたのですが、その高まりきった期待を遥かに超えていくドラマでした。新年早々素晴らしいコンテンツを浴びることができて、良い年になりそうだ…と思えました感謝!
ほんと毎年、年始の定番ドラマとしてシリーズ化してほしい!「渋谷家の2026年は…?」とか言って。

そして松坂桃李さんと星野源さんが共演!私は星野源ANNのリスナーなので、推しと推しの共演で嬉しいなー!と思っていたら、まさかの恋仲設定とかほんとぎゃー!となりました。すごい威力だった。
星野源さんの「不思議」と「喜劇」が好きなのですが、潮君と百目鬼先生のイメージにふんわり重なったり。
潮君、友達でいてくれたら心強いキャラNo. 1だと思います。いい人なんですよねー百目鬼を家に呼んでパーティ準備に追われてるのに、みゃーこのパスポート探しに付き合ってあげたり。ネアカなとこが好き!
「マジ」の語源について語っているときのナチュラルな演技が印象に残っています。うまい。

2. 御上先生[1月17日放送開始]

ついに「日曜劇場」の主役ーーー!!!「海に眠るダイヤモンド」の最終回の怒涛の切なさにノックダウン中に見た予告にうおおおおおお!!!となりました、あの夜はほんと情緒が忙しすぎた。
「日曜劇場」、TBSドラマ班の「日本のドラマを支えるぞ」気概を感じるよねと常々。東芝日曜劇場からの歴史。そこに松坂桃李さんが主演!しかも「新聞記者」の座組!!!たまらないですね。
オファー理由の「多面的な表情」、なるほどたしかにと、2話目を視聴したあと得心がいきました。

松坂さんの演技もほんっとに素晴らしいのですが、このドラマそのもののメッセージ性が本当に興味深くて(「新聞記者」もそうでした)。
もしやエンターテイメントで市民教育を為そうという試みなのかな?と推察しています、素晴らしい!ミニシアターでは映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」がその役割を果たしましたが、ドラマだとさらに幅広くリーチできますね。期待。
1話目を視聴して、正しくノブレス・オブリージュを説くってことね、と膝を打ちました。「そこ」に偶然生まれ落ちたなら、単なる上級国民で終わるのではなく、やりがいがそこにある可能性が高いから全うしてみては?というメッセージ。何の為に学ぶのか、誰の為に命を使うのか?素晴らしい問い掛けですよね。
そしてPersonal is political(個人的なことは政治的なこと)を、「日曜劇場」で投げ込んでくれるのが、ほんと豪速球でど真ん中ストレート!って感じで、今後の展開が本当に楽しみです。
人を教え諭すのって愛がないとほんと無理だと思います。御上先生、クールに見えてマグマのような情熱を抱えるタイプな気がします。どんな表情を見せてくれるのか、ワクワクします!


3. 雪の花 -ともに在りて-[1月24日公開]

役所広司さんとの共演!映画では「孤狼の血」以来の!楽しみで楽しみで!
今作の松坂桃李さん、なんというか「ただそこに在る」って感じですごく良かったです。すごいニュートラル。意思はとんでもなく強いのに、それが純粋な志であって、「我が」って感じじゃないのが伝わる、すごく素敵なお芝居でした。
はつちゃんの美声を聴いてる時の佇まいに、一番それを感じました。あれだけ背が高くて目立つ風貌なのに、ふーっと、背景の一部みたいな、オーラを消す感じ。歌のおにいさんおねえさんみたいな?その場の主役を引き立たせることができる人。黒子になれる人というのか。
一方でクライマックス付近の、感激して言葉にならない演技はオーラ強強でしたね。面白いなあ。

良い関係!

ほんと素敵なおふたりです。


今年公開の作品

まだまだ公開が続く!嬉しいです!
「父と僕の終わらない歌」も、「フロントライン」も、本当に楽しみです。
「フロントライン」については、このインタビュー、通じるものがあるんだろうなと思いました。

「フロントライン」は、つくる意味も、観る意味もある作品なんだろうなと期待しています。菅田将暉さん主演の「サンセット・サンライズ」鑑賞時も、“この頃”を映画として残しておくことは、意義があるんだろうな、と思ったので。

「父と僕の終わらない歌」、寺尾さんにここまで言ってもらえるのって凄いな…!?と思ったのです。大ベテランの方々の中でも、彼はやるね、なんて評価されているんだろうな。すごいや。

[寺尾聰 コメント]
この作品は、俳優と歌手人生が初めて交わる、自分にとってメモリアルな作品です。正直、最初はこの作品を受けるべきか悩みましたが、息子役が桃李と聞いて、桃李とならやってみたいと、だんだんと心が動いていきました。
どの作品にも充実感はあるのですが、この作品だけはちょっと違う充実感で、この歳で、こんなにも情熱を注げられるものに出会えたことに感謝しています。

音楽ナタリー「寺尾聰が16年ぶり映画主演、「父と僕の終わらない歌」で松坂桃李と親子演じる」


好きな作品(-2024年)

松坂桃李さんの、昨年までの出演作品内で、勝手に自分的TOP10を選出してみました!自己満足。楽しかった。
作品として…というより、松坂桃李さんの演技が印象的だったランキングです。

1. 流浪の月

(2022年) - 主演・佐伯文 役
期待を遥かに凌駕する演技でした。映画好きの母に鑑賞後の感想を訊いたら「感情移入しすぎてつらくて、、、松坂桃李さんの演技がとても良かった」と言っていて、だよね!!となりました。カメラワークも良すぎて、松坂さんをはじめ、演者さん方の細かな表現が120%映し出されていたのも最高です。


2:新聞記者

(2019年) - 主演・杉原拓海
あの、死んだ魚のような目が忘れられません。「新聞記者」はNetflix版も良いのだけど、映画版の、ラストシーンのあの目がすべてを持っていく感があります。松坂桃李さんの“光を失った目”が好きなんだな…と実感した瞬間でした。
2019年当時、こうした挑戦的な作品に出演することのハードルは、今よりずっと高かったと思います。臆することなく出演された姿勢、尊敬します。


3.孤狼の血

(2018年) - 日岡秀一 役
“光を失った目”が好きシリーズ2本目。養豚場で探し物をするシーンが最高です。
そして、役所さんとサシで飲む場面の「ほんなら落ちんように、落ちて死なんように、前に進むしか、ないじゃないの」。受ける演技なんだけど、ヒリついた空気が伝わってくるようで堪りません。

-孤狼の血LEVEL2

(2021年8月20日、東映) - 主演・日岡秀一 役
こちらも良かった!変貌ぶりが凄いですね改めて。


4.彼女がその名を知らない鳥たち

(2017年) - 水島真 役
ほんと笑っちゃう程うすっぺらい男…の演技がめちゃくちゃうまくてびっくりしました。ああこの人、本当に演技が巧みなんだなあ、と実感した作品でした。
憑依型っていうのとはちょっと違うような…淡々として、フラットだから、そこに別人格が乗せやすいのか?と考察していました。


5.日本のいちばん長い日

(2015年) - 畑中少佐 役
初めて“俳優・松坂桃李”を認識した作品です。この役者さん“目”がマジだ…と思いました。
狂信的というか、思いが強すぎて暴走をはじめてしまう時のあやうさ…怒りで身体が震えて、血管が切れそうになる感じが、本当に上手いなと驚いた記憶。演者さん全員良かった作品です。
(昨年、リメイク元作品を観て、ああ、と膝打ちしたのでした。この熱量を超えたかったのねと)


6.空白

(2021年) - 青柳直人 役
古田新太との演技バトルに負けてないなあと思いました。凄い。ずっとつらくてしんどい展開だったけど、ラストシーンが本当に救いがあって…人が救われる瞬間を、フィクションであっても目の当たりにすることができて、良かったです。


7.VIVANT

第4話 - 最終話(2023年8月6日 - 9月17日、TBS) - 黒須駿 役
いやー良かったですね!超ハイスペックなのに不憫すぎる笑 ほんとハマり役で最高でした。
役所広司さん、堺雅人さん、二宮和也さんと4人のシーン、痺れましたね。最強の絵面だった…。


8.今ここにある危機とぼくの好感度について

(2021年4月24日 - 5月29日、NHK総合) - 主演・神崎真 役
こちらも、個性豊かな大ベテランの演者さんに囲まれてキリキリ舞しつつ、健やかに(?)成長していく神崎さんの姿に、松坂桃李さんの姿を重ねたりしつつ。いいドラマでしたね。


9.あのときキスしておけば

(2021年4月30日 - 6月18日、テレビ朝日) - 主演・桃地のぞむ 役
オタクな青年、本人そのままなのかな…と思っちゃう素敵キャラでした。ラブストーリーは不得手なたちなのですが、この作品はほんと大好き!


10.ゆとりですがなにか

- 山路一豊 役
映画で初めて観たのですが、いいですねこのわちゃわちゃ感!御上先生と比べると、改めて温度差に風邪をひきそう。笑
末長く仲良しでいてほしいですね。また続編が観たい!何年経っても!


好きなエピソード

演技だけじゃなくて、お人柄も大変好ましく。
初めて“人間・松坂桃李”を認識したのが、菅田将暉さんのANNの遊戯王回だったもので、素のトークを拝聴して、あっ、本当に演技が上手いんだこの人…と思えたのでした。こちらのnoteに大変共感!

こちらのnoteもほんと好き!

菅田将暉ANNに電話出演した時、最後に一言!と言われて「ハッピーハッピー大ハッピー!」と爽やか大声で言ってくれたのが印象深いです。緊急事態宣言下だったですね。あの声を思い出すだけで元気が出る。

菅田将暉ANNに初登場の時「この時間(深夜)普段何してる?」と問われ「寝るか遊戯王」。めっちゃ笑いました。

TikTokをチックタックと言ってしまうキング。リアタイ時めちゃくちゃ笑った。

情熱大陸で密着されるも撮れ高なさすぎて密着期間延長されてしまうエピソードも好きです。

樹木希林さんとのエピソード、大切なことを教えてもらえる気がします。あと「謙虚に人の世話になりなさい」という言葉、沁みます。

樹木希林さんから言われた言葉で「謙虚に人の世話になりなさい」。どんな仕事もそうですけど、この仕事は自分一人でできないから、人のお世話にたくさんなる。それゆえに、謙虚さってのを大事にしなさいと言われました。24、5歳の頃だったと思います。

松坂桃李&芳根京子インタビュー 二人を支える先輩たちの教え「謙虚に人の世話になりなさい」

心から楽しそうで、よき!


そしてこちらのインタビューに狂喜乱舞です!!ラジオ!聴きたいです!めっっっちゃ楽しみです!!


菅田将暉ANNで、役所広司さんとの共演について語られていた時に、「あの皺は、俺たちにはないものなのよ」と、心からの尊敬がこもった言葉が印象的でした。

そんな松坂は21日深夜、事務所の後輩でもある菅田の「―オールナイトニッポン」にことし3度目となる出演を果たした。

「孤狼の血」を鑑賞したという菅田が「見ました、僕。ハードボイルドでめちゃめちゃカッコいいじゃないですか。何なんでしょうね、あの(役所の)顔というか、しわというか」と言及。これに松坂も「しわって俺ら、無理だよね。経験とか技術もあると思うけど、作品の積み重ねっていうのもけっこうな影響がある」「あれはすごいよ、ホントに。かなわない」と、先輩俳優・役所の凄さを力説した。

菅田将暉「え!マジすか!え~っ!!」松坂桃李が役所広司から贈られた宝物とは!?

そんな“皺”を刻んだ松坂桃李さんの数十年後の姿も観たいなあ、と心から願っています。
いろんな役や現場を経験して、もっともっと、深みと凄みが増していくんでしょうね。今後のご活躍も、楽しみです!

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