伝統とチラシ
〈チラシ〉の歴史は古い。僕の記憶では〈チラシ〉の始まりはたしか江戸時代。「散らす」が語源で、世に広く情報を伝達し、用が済めば儚く捨てられるもの。それが〈チラシ〉だった。
…と思っていたけど、今調べて見たらあんまり正確ではなかった。江戸時代に始まったのは当たってた。当時は「引き札(ひきふだ)」と呼ばれていたらしい。「散らす」は関係なかった。何かで読んだ記憶があるんだけどなあ…。
とはいえ、儚い存在であることは今も変わらない。でも、ちゃんとルーツがあって、デザイン理論も含めて、ずっと続いてきた宣伝方法だ。
古臭い手段だから、今の時代に合っていない部分もある。送り手から一方的にしか情報を伝えられないから、受け手は〈チラシ〉を見ても、「お店に行く」というアクションしか取れない。双方向で色々できる今の人たちにとっては退屈なものかもしれない。
ただし、情報が一方通行のおかげで〈チラシ〉の情報は正確で混乱が起きない。イベントの告知や集客には向いている。〈チラシ〉を作る仕組みを生かして、もっと効率的に情報を発信する仕組みはないものか。
例えば、viceは、もともとセレクトショップに置いてあるサブカルっぽいフリーペーパーだったが、今はwebで様々な展開をしている。でもやっていることはフリーペーパー時代から変わっていないように見える。デザインや伝え方を、時代に合わせて変えているのだ。
〈チラシ〉も変わりたい。〈チラシ〉を作る僕も変わりたい。
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