第46話 父の移住
母が亡くなって1年程経った頃、父もこの大崎上島へ移住した。
「お父さんんも島に住もうと思う」と父から連絡があった時「どうぞ」と答えた。そして母が亡くなる前に最後にやり取りしたメールをふと思い出す。
「なんか最近忘れっぽいし、怪しいんやって~。なんかあったら後は、お願いね」と、母はメールでの文章を締めくくっている。それを最後に母は亡くなった。
今思うと、私は母に関わるつもりで「困った事があったら言って」と返事をしたけど、あ~母がお願いしたのは、父の事だったのかと、この時思った。
父は島に来ることになって、貸家がタイミングよく見つかり、借り暮らしをしていると、半年後には売り家が見つかった。今は島の南側の幼稚園の後ろの平屋の一軒家を購入し、野菜や花をつくりながら暮らしている。
そして文章が好きな父とは、お互い書くことで交流し、父の作った美味しい野菜を頂きながら見守りあって、離れすぎず近くなりすぎずといった関係を保っている。
想いや感情を時にはぶつけ合いながら、たまに一緒の時間を過ごす。
これくらいがちょうどいい。
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