なぜ私がこのお店を始める事になったのか?第3話 家族の想い
昨日も、仕事の打ち合わせは絶えない。こんなに意見を求められる日がくるなんて、自分でもびっくりしている。
今日は私の家族の話をしよう。
父は末っ子で、上にお兄さんが2人いたらしい。が、悲惨な事に戦争に行って帰って来たら、気が狂って結局亡くなってしまった。こんな衝撃的な話を数年前に初めて聞いた。
だから父は「自分は何があっても死ねない」と言った。
母は、越前の雪国の生まれである。子供の頃、あまり裕福ではなかったようで、家族の為に尽くすといった真面目な性格だった。
私の知っている母は、いつも家にいた。家で洋服屋を営んでいたからだ。
その仕事の合間をぬって、食事はいつも手作りだった。
母は、同じ献立が続かないように、料理の本をみたり、日記に記録したりして努力していた。
最近、母の中学生の時の日記が出て来たので、読んでいるとよく反省の文が出て来る。
「今日も勉強が出来ず、こたつで眠ってしまった。こんなのではダメだ」と。
祈り。息子を戦争で失った祖母の気持ち。
きっと祖母は息子を戦争に行かせて、気が狂って死んでいった事を、祈る様にして、またはやり切れない想いで生きていたのかも知れない。
そんな家族の想いが、今やっと私のすぐ近くに来たのを感じる。
人生には様々なタイミングがあり、その想いが伝わったのが今、私にだったのだ。
数年前、私は人生を自身が舵切り、本当に望む方へと一大決心の末、故郷を後にした。どこで?誰と?暮らす?どんな仕事をする?どんな暮らしをする?
そしてこの島に辿り着き、新たな生活が始まった。
自然が感じられる。豊かさを感じられる暮らし。有難いな~。
海が見えて、畑には作物が実り、愛する人がいて、仕事もある。
食べる、生きる、そこに豊かさや楽しみが感じられる。
そんな暮らしを経験しながら、今新たにお店を創ろうと、企画準備を進めています。
30話を目指して不定期ですが書いていきます。
いつもお読み頂き有難うございます。💗