第45話 島のシェアハウスで暮らし始める
2018年、シェアハウスを見つけて島で暮らしてみようと考えた。憧れの火のある暮らし。シェアハウスには薪風呂があった。
訪問介護の仕事をしながらの共同生活、島のあちこちを車でまわり、体の不自由な人の生活を支えた。シェアハウスでは、観光の仕事をしている男性と自由な若い女性が暮らしていた。その女性は
「くっそー!!」と言いながら初対面の日、シェアハウスに帰って来た。何がくっそーなのかは思い出せないが、よく上手く行かないとそんなふうにして、自分の感情を表現していた。心に仕舞わず、自分を表現しているようだ。
ちょうどその頃、実家の母が‘’くも膜下出血‘’で倒れたと連絡があり、数か月後に亡くなった。突然だった。
寒い冬、母の事を思うと部屋から出る気になれず、静かに過ごす。「真紀さ~ん大丈夫ですか~?」と同居人の声。一緒に暮らしている人がいるって安心するな~。母への想い↓
https://note.com/maki0618/n/n621d5251d6f3?magazine_key=m67570cd2a48e
その頃、今度は別の女性がシェアハウスに入居した。トースターだけを抱えた荷物の少ない人だった。荷物が少ない彼女は、よく歌を歌っていた。
春になり、私は家を借りて、シェアハウスを出る。シェアハウスのオーナーは優しくて「真紀さん。ゆっくりで大丈夫ですよ」と声を掛けてくれた。
人と出逢い、その優しさや個性に触れるが、私は自分を表現仕切れない。
そう思うと急に悲しくなって、自分の殻の中に入りたくなる。
「誰も来ないで!」慣れ親しんだ自分だけの安全な場所。
そんな事をまた繰り返しながら、私は自分の心を抱える様にしてシェアハウスを後にした。
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