遺族とはどこまでなのか⑤完結
飛び降り自殺して回復して、でもちょっぴり歩きにくくなったかなちゃんは
退院してからは主におうちで過ごしているようでした
でも時には外で友達と遊んでいたり
家でも仲良く兄弟と遊んでいたり
教習所に通い車の免許取ろうとしていたりと
ちゃんとした生活をしていました
もうずっと生きていくような顔をして
少なくとも私にはそんなふうに見えました
すごく痛かっただろうから
すごく辛かっただろうから
もう死のうとはしないとだろうと思っていた矢先
かなちゃんのお母さんからラインが来ました
かなちゃんはどうやら自分から事故を起こし
亡くなりました
小さな公営の斎場でのお式でした
ありがたく弔辞を読ませてもらい
バシャバシャ泣いて
泣くだけ泣いて
それでもそlのあとお腹は空いて
私はその後、体重変化もなく、
パニックがぶりかえすこともなく、
特に私生活変化なく
なんとなく過ごせてしまった薄情な友人になりました
訃報を聞いたのは職場での昼休み
午後の業務もできてしまいました
何が悲しいって、大切な人がなくなっても日常が変わらないことです
朝はくるし夜はくる
世界の景気も変わりなし
今日もお隣さんの猫はこっちを見てくるし
今日もあしたもきっと私は少しかなちゃんのことを考えている
何も変わらないんです
死んじゃったのに
私は今日も働けてしまうし
今日も朝ご飯は食べられないし
あしたもきっと
明後日もきっと
ずっと普段通り
かなちゃんからのラインが永遠にかえってこないのも いつの間にか普段通りの一つになりました
かなちゃんとのトーク記録が消えないようにバックアップも取りました
かなちゃんがいないことを徐々に受け止めてしまってしんどい
この気持ちをうまく書けなくてだらだら稚拙文になっているのもしんどい
しんどいけど普段通り
何も変わりません
遺族とはどこまでなのか
自死遺族の相談に乗ってくれる機関があります
残されたものはみんな遺族でしょうか
血縁関係がなくても遺族でしょうか
私も遺族に入れてくれるでしょうか
私の気持ちを聞いてくれるでしょうか
このどうしようもない答えのないまとまっていない気持ちと話を聞いてくれるのでしょうか
遺族ではありませんという結果が出てきたら怖いのでみすみす検索できません
当然かなちゃんにとって私は親族ではないのでお式でのお焼香は最後の方でした
でも私以外、お式に花束を持ってきた人はいませんでした
うら若き乙女の門出なのに
絶対あのはとこだか、いとこだか
よくわからない親戚のこより
私の方がかなちゃんを思っているのに私は親族ではない
ただの親しい友人で
かなちゃんのお母さんが親切に呼んでくださらなかったら、きっと私は今もかなちゃんがなくなっとことを知らない
ねえ、遺族とはどこまでですか
私も入れてくれる言葉なんですか
よく意味が分からないから
一生関わりたくないことばですよね
遺族を作り出そうとしている人が1年で一番多い時期であるらしい今日この頃
今読んでくれているあなたはどう過ごしていますか
お願いだからあと1日生きていてください
それをいっぱい続けてください
辛いけど、私はあなたの人生に何の責任も持てないけど
けど
あなたが死んだら、あなたの周りの人に1人くらい
こういう、私みたいな思いをする人間がいるいると思います
いない?気のせいです
それかまだ出会っていないだけです
何にせよ生きていてください
お願いです
こんな想いさせないであげて
あとそんなにあなたも苦しまないで
死ななくていいからサボって
全力で夏休み延長してください
8月32日は作れます
きっとあなたになら