電気量販店の裏側(メーカーの攻防)
こんにちは!メーカマンです。
本日は普段皆さんが電化製品を購入している電気量販店の裏側、メーカがどんなことをしているかを書きたいと思います。業界への就職を希望している人への参考になればと思います。
前回の記事で、ちょっと書きましたがメーカマン自身約5年間電気量販店に関わる営業活動を行なっていました。電気量販店向け営業は大きく分けて3パターンあります。
①家電量販店を1日3〜4件回って行うルート営業。
②家電量販店の仕入れを担当してバイヤー向けの営業。
③①と②の両方
①は多分皆さんもお店の中で見たことあるのではないでしょうか。お店の人ではないスーツでメーカの紙袋を持った人が品出しをしたり、お店の人と話してたりする事があるのですが、あれです。
②は大体家電量販店の本部にはバイヤーがいて彼らが各お店に置く商品を考えたり、買い付けを行なっているのですが彼らに商品を提案する営業。一応メーカー営業では花形と呼ばれるポジションです。
③は上記①②の両方ですが、電機メーカではそういう営業は多くなかったですね。(私の周りでは)
では①からですが、業務の内容としてはお店を回ってメーカの商品を提案するというのが基本ですが、それは表面で実際にはお店の棚を奪う事がメインの仕事です。棚を奪うって物騒な・・・と思われるかもしれませんが、良い場所に自分の商品を置くという事です。商品なんて置いてあればどこでも一緒だろ?と思われるかもしれませんが、実際に置いてある場所で売り上げは1.5倍〜2倍変わってました。
いやいや商品の棚ってお店の人が変えてるんでしょ?と思われるかもしれませんが、違います。少なくとも10年前までメーカがほぼ作っていました。新しいお店が出来た時の売り場づくりも全てメーカがやってましたね。流石に公取が入って多少緩和はしてるかと思いますが、現在も当社のルートセールはいますので(むしろ増えてる)本質は変わってないかと思います。
で、何をやるかといえば売り場の責任者に挨拶をして、
『じゃ、変えときますね〜』
と一声かけてガンガン他メーカの商品を棚の下に下げて自社の製品をゴールデンスペース(目線のちょっと下くらい。一番売れると言われてる場所)に変更していきます。ただこれだと他メーカにも簡単に変えられちゃうんで、棚の上に販促パネルを貼ってその下に流れができるよう商品を置いたり商品モックを置いたりするんですね。それを各社必死にやってる感じです。
こんなのは全然軽い方で、えげつない営業などは他メーカの商品を洗濯機の中に隠したりも・・・。(説明:大体電気量販店は定数定番制という方法で商品在庫を管理してます。Aという商品はA店に2個置くね!1個売れたら2個になるよう1個補充するね!という感じで管理してます。つまり洗濯機に隠されると端末上は在庫がある事になっており、表に商品はないのに永遠に商品は補充されません)
他メーカの営業を恫喝する営業マンなんてのもいましたね。売り上げ成績で給料が変わるようなメーカの人たちは特に必死でした。私はこの営業を3年ほどやりましたが(残り2年はバイヤー向け営業)、本音で言うと結構楽しんでやってました。実際に自社の商品をお客さんが手にとって買ってくれるのは嬉しいものですし、現場でしかわからない事・・・どういう人が買っていくのかや、お店の人にはどう言う質問をお客さんはされるのかと言う情報を得て他店での提案に生かしていました。
そんなある日とんでもないトラブルに巻き込まれることになるのですが・・・。
今日は以上です。