“お願いしない”交渉術
聞き出すことに特化した「SPIN話法」
Youtuberのサラタメさんが解説されていた
書籍「新版 営業の聴く技術」の中から
SPIN(スピン)話法について取り上げられていました。
SPINというのは、次の英単語の頭文字を取ったものです。
SPIN話法というのは、上から質問を展開させていくもので、
状況質問→問題質問→示唆質問→解決質問
という順番で「話す」というより「聞いていく」ものです。
大変ざっくりとした質問の仕方としては次のとおりです。
一般の方が「営業」や「セールスマン」ときくと、
いらないものの押し売り
一方的に自社の話をする
断ってもまた来る
といったイメージをお持ちの方が多いと思います。
まけまなもその一人です。
逆の立場で、営業に限らず誰かにお願いごとをする時、
上のようなイメージを相手に持たれていないと言い切れますか?
少しドキッと、思い当たる節がないでしょうか。
このSPIN話法を用いれば、営業や日常会話で、
あなたへのイメージがガラッと変わるはずです。
まけまなもこの技術を一日でも早く会得できるよう、
文字に起こすので、ぜひ参考になさってください。
優秀な営業マンは聞き上手
まけまながひいきにしている
近所のガソリンスタンドでの話です。
いつもの通り、給油中にフロントガラスを
拭いてもらっていると、店員さんが一言。
「ワイパーのゴムがかなり劣化しているようです。
雨の日なんか、ワイパーの音や水の拭き残しに
ストレスをお感じじゃないですか?」
と。この日は晴れ。そういえば、雨の日には
そんなことを気にしながら走行していたような・・・
という記憶が蘇って、「そうなんですよ」と返答。
「もしお時間あれば、ワイパーゴムの交換いかがですか?
コーヒーお出しするので、中で少しお待ちください」
とのご提案にすんなり承諾したエピソードを
ふと思い出しました。
このガソスタ店員さんの提案はまさに
SPIN話法の一部でした。
恐らく意識してではないでしょうが。
優秀な営業マンは聞き上手という言葉があるように、
優秀な営業マンが相手だと一般的な営業マンにイメージする
「買わされた」と感じる人は少ないのではないでしょうか。
自然な流れで相手の悩みを聞き出し、その解決手段を提案する。
これが優秀な営業マンであってSPIN話法の特徴といえます。
SPIN話法を用いた例
例として、夏休みの宿題についての
親子の会話を基にSPIN話法を紹介していきます。
<状況質問>
母「夏休みの宿題どこまで進んだ?」
子「まだ何もしてない」
母「じゃあ今日の目標は?」
子「絵日記を書く。気が向いたら…」
<問題質問>
母「何?気が向かないことでもあるの?」
子「暑いし、外出たくないし、書くこともない」
<示唆質問>
母「暑いのは毎日でしょ。このまま宿題しないまま夏休み終わったらどうなる?」
子「先生に怒られる」
母「それだけじゃないでしょ。きっとあなたの好きな花子ちゃんにも嫌われるかもね」
子「えっ」
母「だって、成績優秀な花子ちゃんからしたら宿題もやろうとしないあなたに振り向くと思う?」
子「それは…」
<解決質問>
母「じゃあどうすればやる気になる?」
子「…海に行きたい。それを日記に書く」
母「遠いわね…。じゃあ、今日の目標は宿題をする予定を一緒に考えるっていうのはどう?」
子「えー」
母「今日はそれを絵日記にする。花子ちゃんもきっと計画的な男の子が好きだと思うなー」
子「う…。じゃあ、予定つくる。海の約束まもってよね?」
母「はいはい。今日の予定ができたら海に連れてってあげる。いい?」
子「うん。頑張る。」
というのがまけまなの幼い頃の話かどうかはさておき、
商売以外の場面でもSPIN話法の効果について
よりイメージいただけたのではないでしょうか。
悪用厳禁なSPIN話法
SPIN話法の本質は、
こちらが仕向けたいことを相手に質問することで
その方向に誘導する側面も持ち合わせています。
あまりにあからさまな誘導尋問だと、
相手も訝しがって、うまくいかないことも
あるかと思います。
優秀な営業マンというのは、
上記の母親のように決して無理強いするのではなく
相手の意思を尊重して行動に促しているはずです。
より詳しい解説は、下記サラタメさんの
動画を見ていただけるとより理解できると思います。
私たちも日頃から意識してSPIN話法を使って、
双方が気持ちよく同意できる交渉を心がけたいものです。