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主観と客観のバランスを決めるセンス

"神様を信じるか?"と聞かれると、答えは"ノー"なのだけど、たまに神様のような存在がうまく人生をデザインしてくれているような、そんな感覚に陥ることがあります。

うまくいく期間もあれば、"調子に乗るなよ"と言わんばかりにまた試練のときが訪れ、でもそれを乗り越えらればまた大きな成功体験が得られる。暗闇のなかを突き進んでいるときに振り返る余裕なんてもちろんないけど、抜けてみて改めて考えると確かに必要な時間だったと思える。だから、今回もきっと”お前センスないよ”って言われてたんだろうなと。

アメリカからドイツに渡り、2日後にはトライアウト先が決まり、その5日後には契約がまとまり、スタートこそは順調な滑り出しでした。プレシーズンが始まってからは、膝の後遺症がでたり、新しいポジションに苦戦したり(ブンデスデビューはFWでの出場)そしてなにより、周りに言われることばかりを気にして、完全に自分を見失っていました。

周りの目を気にするようになると、言われてもいないことで勝手に気を揉んだり、自分で作り出したネガティブワールドに迷い込みます。ドイツに渡ってすぐの私は"ブンデスでは通用しない"や"ドイツではこれが当たり前"というような周りからの言葉が判断基準となってしまい、せっかくアメリカで磨いてきたスタイルも、どのようにプレーしていたのか全くわからなくなりました。

この時期にヒントをくれたのが、知人が勧めてくれたアドラー心理学の"嫌われる勇気"。シンプルにいうと、自分でコントロールできないことにエネルギーを費やすことは無駄なので、コントロールできることに目を向け、自分の人生を生きようというメッセージがあります。

ドイツでの期間中で完全にスランプを抜け出すというところまではたどり着きませんでしたが、このときの学びで物事を楽に感じられるようにはなったと思います。

ここから日本に戻ってきて、"自分"を主張する分、"相手"も尊重しなければいけないという当たり前の課題にぶつかるのですが、周りのおかげで少しづつだけど努力はしてこれているように感じています。中には"この人は大丈夫"と自己中ワールド展開しまくっている人もいるので、その人認定されている自覚がある方々にはこの場を借りて謝っておきます、ごめんなさい。笑

"全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ"と、毒性学の父であるパラケルススは残しています。客観性を欠く思考は周りから浮くだけであり、かと言って自分という軸がなければ自分の人生を生きられない。何事においても同じことが言えますが、要はバランスであり、その配分をうまくとれることがセンスなのだと思います。

センスを磨くためにも、積極的に様々な価値観に触れて、そのうえで自分の言葉を使って言語化していく。MYOBDのイベントも、他者(発展途上国の子ども)の生活環境理解度を高めるうえで自身の環境を振り返るというテーマが根底にありますが、それに限らず、色とりどりの想いや考えに触れられて、そのなかで自身の成長を追える、そんな場所をつくっていきたいです。


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