個性輝くボールで繋ぐ世界
"クラブで依頼を受けたイベント、樫本さんの企画でいきたいと思います。"
年明けすぐに連絡をいただき、計画を練り始めました。MYOBDのイベントがついに日本で実現する!内心ではわくわく半分、日本の子ども達の反応の想像がつかないどきどき半分といったところでした。
このような状況下での開催に伴い、特に感染対策視点での準備には敏感になって進めてきました。運営側主要メンバーによる事前打ち合わせを1か月前に行い、当日の流れ、スタッフによる感染対策の確認。それからもイベントな細かな部分で気になった点など、当日ぎりぎりまで潰していく作業の繰り返し。
イベント当日も早めに会場入りし、密を避けるために子ども達の立ち位置を示すテープを貼ったり、用具の消毒など。本当にたくさんの方々の支えのおかげで実現したイベントでした。
準備も落ち着いた頃、子ども達が徐々に会場入りし、ついにイベント開始の時。簡単な自己紹介と、新聞紙を丸めてボールの中心をつくるデモだけを見せて、あとは自由にやってごらんと。そこから子ども達が私たちに見せてくれた光景は最高のものでした。
今回は感染対策という点を考慮し、ボール作りの材料は全て運営側での準備であったため限られた選択肢ではありました。そのなかでも布テープの配色は目に見えた個性が光り、同じ材料を使っているのにやたらずっしりしたボールを作った子、3個、5個とどんどん作り続ける子もいれば、時間のほとんどを費やして丸みを追求する子。一つだけ、どの子にも共通していたことは、ボールを使って楽しそうに遊ぶ最高の笑顔でした。
放っておいたらいつまでも遊び続けそうな勢いだったので、頃合いをみて給水を促し、その後はミニゲームなどを行い、最後に記念撮影でイベントを締めました。準備期間中はあんなにも長く感じていた時間が、いざイベントが始まってしまうと一瞬で、たぶん誰よりも一番私が楽しませてもらったイベントだったかと思います。
前回の自粛期間中とは変わって、チームとしての活動を継続していられることへの感謝の心を地域に還元したいというクラブの想いと、このような時代を逞しく生きる子ども達になにか企画したいという宮坂区民センターやPTA役員の方々の想いが合わさった、初のMYOBDイベントを飾るにはこれ以上はない形での実現。
純粋に今を楽しむことだったり、自分らしく、人間らしく生きることだったり、教科書や教室で学びづらいことを、ボールを通じてメッセージを送ることができる。私がアメリカで携わってきたMYOBDイベントはそういうものでしたが、日本でも積み重ねていけそうな手応えを感じました。
人が繋がれる場をつくったり、そこで互いに笑いあってるところを見るのが好きなことに改めて気付き、サッカーの目標でも自己にフォーカスしたものばかりだったものが、今シーズンに向けて自然と頭に浮かんだものは"繋ぐ、繋がる"というもので、なによりも私自身がこの活動とより向き合うことで少しづつ変わってきているのかもしれません。
一人でも多くの人に私たちのボールというメッセージが届き、繋がっていけばいいなと思います。
・・・・・
Make Your Own Ball JAPANとは:
持ち寄った素材でボールを一からつくりプレーすることで、発展途上国の子ども達の気持ちを学び、同時に寄付されたボールを恵まれない国の子どもたちへと届けることで、ボールで世界を繋ぎます。
子どもたちにとって日々への感謝や、自分たちの手で ”世界は変えられる” という真実に気付くきっかけとなればと思います。
活動目標
プロジェクトを通して達成したいことは、以下の5つとなります。
1. ボールをつくるという行為自体が、別のどこかの子ども達の抱える問題の解決策であることを学びつつ、ボールの製作を子どもたちに委ねることで、ピッチ内外に関わらず問題を解決するための想像力を養うこと。
2. 新たな人やアイデア、そして文化と繋がることで別の人の目から世界を見ることができるようになること。
3. ボールなどの用具を寄付するということは、単にものを与えているのではなく、”プレーする喜び” そのものを与えているということを知ってもらうこと。
4. 遊びを通して探究心を刺激し、社会におけるよりよい関係性や健康な身体の作り方を学んでもらうこと。
5. 活動を通して見えてきた世界に同情するのではなく、今あるものへの感謝の気持ちを持ち、そして、子ども達の持つ、自身の情熱や才能を誰かのために活かすことで ”世界は変えられる” という真実に気づいてもらうこと。
誰かにとってはなんの変哲もないボールであっても、また別の誰かにとっては大切な意味を持つことがあります。私たちにとってボールは情熱であり、愛であり、そして日々への感謝とそれを還元していくことを教えてくれるためのツールでもあります。Make Your Own Ball Day Japan Office は、ボールを媒体として子どもたちに新たな世界を見せることで、子どもたちの笑顔や成長の場をつくっていく活動をしていきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?