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mochikolin
カステラが好きという設定
僕の詩の中に『カステラ』の単語を見つけて
「へぇーカステラ好きなんですね」
と、さっそく君はツッコミ入れた
君の言葉に微笑んで
「カステラが好きという設定です」
と僕は咄嗟に答えた
そこだけに反応しないでよって思う
本当はカステラが好きなのに
なぜか設定だと言ってしまった
言葉の裏に隠された
小さな秘密と遊び心と
とても小さな焦燥感
僕たちは笑い合う
僕はどこかぎこちない
君は僕の反応を楽しんでるし
カステラの甘さを思い出すよりも
この瞬間のほろ苦さを強く感じる
設定でもいい
君と話すなら
カステラの話題で繋がる
君と過ごすこの時間が
僕にとってスリリング