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大聖堂とエリック14世
ヴェステロースの市の中心に1200年ごろに作られた大聖堂があります。中に入ると売店やカフェスペースがあり、そしてミサのスペース。ここは近代になって増築されました。
十字架から向こうは1200年代に建てられ、何度か火事に遭い修復されたまま。ひんやりとしていて音がよく響きます。下を見ると石やレンガでできていて、レンガが乾く前に動物が歩いてできた足跡を見つけることもあります。この足跡は犬だそうです。
床はレンガだけでなく大きな石もあり、石には誰かの名前が刻まれて墓石になっています。初めて訪れたときは全く知らずにその石の上を歩いてしまい、その下に誰かが眠っていると知りびっくりして飛びのきました。
北欧の歴史上重要な王だったエリック14世も亡くなった当時は教会の床下のお墓で眠っていました。亡くなって約200年後にお墓が掘り返され、このような棺に移されました。
この棺少し短くないですか?昔のスウェーデン人は背が低かったのでしょうか?
エリック14世は頭がよく芸術的才能もあり、スウェーデンを大国へと尽力した一方で、精神を病み求婚した女王たちには振られ生涯独身。狂人となり弟たちと衝突しついには幽閉されてしまいました。
大聖堂のすぐ近くの庭には、エリック14世が晩年閉じ込められていた牢獄があります。そこで食事の豆スープにヒ素を盛られ殺されたと言われてきました。その噂はなんと1600年の終わりからあったそうですが、1958年にやっと棺があけられ科学によって事実が明らかになりました。
エリック14世の遺体からヒ素が検出され何百年にも渡った噂の真相があきらかになりました。ただ、ヒ素を盛った食事がスウェーデンの定番料理の豆のスープだったかは、もう知る由もありません。
そしてもう一つ明らかになったのは、エリック14世の背が低かったわけではなく、棺に入るように足が切られていたそうです。