馬頭観世音菩薩
「風難」から、我々を救ってくださる「馬頭観音さま」
機会があれば、普段、お地蔵さまだと思っている石像をよくご覧ください。もしかしたら、それは「お地蔵さま」じゃないかもしれません。
古来から「馬」は、旅に欠かせないものでした。その馬の安全を守ってほしいとの思いから生まれたであろう「馬頭観音さま」は、その後、交通の安全を祈願する対象となって村の出入り口に造立されることが増えたそうです。そこからさらに発展して、村への「悪しきもの」の侵入を防ぐという役割を担うこととなったようです。このため、みんなが「お地蔵さま」だと思い込んでた石像も、もしかしたら「馬頭観音さま」かもしれないのです。
さてさて、その「悪しきもの」とは、もちろん泥棒や、盗賊といった輩であろうことはわかるのですが、疫病なども含まれたりしてきたのは、当然かもしれません。さらに言えば、噂や嘘なども「悪しきもの」の対象となっていきました。
よって、これらの侵入・侵略してくる災難を「風難」と呼びました。今でも「風の噂」「風評被害」などの言葉がありますよね。
しかし、その侵入・侵略してくるものの中には、有益なものもあったのは確かです。閉鎖さえしていれば、安心というのも短絡的な発想ですから。
実は、「風の難」とは、無知・無明の難とも言われ、そもそも軽はずみな言動を指すものでもあります。「旅の恥は搔き捨て」なんてのも、いいことだとは思えませんよね。そして、このインターネットの世界は「風の難」で溢れています。
結局は、正しく学び、正しく伝えることこそが、「風の難」から、我々を救う手立てなのです。
なんと、誰もが「馬頭観音さま」と同じ力を持っているのです。
誰もが「観音さま」になれるのです。