【本音トーク】感染症法等改正…まさかのザル法確定へ。。。
感染症法等改正がもうじき成立となる今日このごろ(1月30日)。
当初の案から大幅に野党側へ譲歩する形で終わりそうですが、
何よりも驚いたのは、刑事罰が一切無くなったことです。
どれだけ、この国は呑気にコトを考えてるのでしょうか。
以下、私の仕事に近い側面から現実を言えば、絶望感で一杯になると思いますwww
【法律に罰則が必要な理由】
我が国には本当に沢山の法律があります。
法律で定められる規定は
①誰に対して(事業者、国民、国、地方公共団体…)
②条件があれば
③○○しなくてはならない、あるいは○○に努める
という組み込みであるのが大多数です。
また、法律は基本的な話、
「守ってもらわないとならないこと」を義務として
それに違反する行為が安易に起きないよう、罰則を盛り込みます。
罰則は法律により様々ですが、
①不特定多数を対象とした義務というのは、その時点で守られてなくても罰則は科されない。
②対象が特定されて初めて、義務違反等で罰則の適用の秤にかかる。
また、罰則にも直接的なものと間接的なものがあります。
直接的な罰則は、法律に規定された義務に違反した段階で罰則の対象となる。
間接的な罰則は、法律に規定された義務違反に対して行政処分がかかり、その行政処分にさらに違反するなど、概ね2段階の違反があって対象となる場合です。
これは法律によりケースが異なりますので、調べたい法律の規定と罰則のリンクがどのように繋がっているかを確認することになります。
【刑事罰と行政罰】
懲役や禁錮、罰金を盛り込んでいるのが刑事罰。
同じ金銭の徴収でも刑罰にかからない過料は行政罰です。
行政罰とはいえ、行政が直接罰則として徴収することは基本的にないため、
簡易裁判所を介して決められることが多い。
これだけ見れば、今般の感染症法やコロナ特措法の改正で行政罰のみでおさまっても
不思議ではないように見えます。。。
【行政罰だけの罰則は、罰則とは言えない!】
しかし、現実問題でいうと、過料を本当に実行している法律はかなり稀な部類です。刑罰がバックにあって、ようやく過料を含めた罰則が見えてくる…それでも罰則を課すために法令違反の認知から罰則までいく例は、実際にはほんの僅かです。
よって、刑罰のない法律は、罰則を課す観点から見れば「ザル法」と私は呼んでいます。つまり、あるようでない罰則規定です。
なお、反則金をよく払わされる道路交通法は、あれは完全にカテゴリーの外にあります。
【色々な法律を見て思う、着地すべき点】
今般の感染症法等の改正は、結局罰則を課すことを法に書いただけの「ザル法」です。
これでは行政側も、過料を課すために一生懸命動くことは、非常に厳しいのではないでしょうか。
新型コロナウィルスについては、今後は変異種と付き合うことになる可能性もあります。ワクチン接種すれば安全という訳の分からない安心感がバックにあるから、政府もよれよれになったのかもしれません。
しかし、先に書いたように、罰則というのはそもそも相手を特定しなければ罰則にならないので、特定した相手に対する勧告違反を過料で収めるのは、罰則面からは現実的ではないと思います。
せめて、最高で
「3月以下の禁錮又は30万円以下の罰金」
ぐらいにしておけば、よかったのではないでしょうか。。。
従わない者勝ちにならないよう法律で動かしたいなら、最高で行政罰というのは、目的意識が無かったとしか言えません。
このコロナ問題があとどのくらい続くか分かりませんが、きっと2〜3年後に振り返った時、「あの時のザル法改正は何だったんだ。」てなる気がします。