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都のおんなと村のおんな
ある都におんなの人がいました。
そのおんなは大きく立派なごてんにすんでいました。
肌は白くツヤツヤとして美人で、
高価な宝石や金がちりばめられたごうかな絹の着物も持っていました。
だんなさまはやさしく、子どもやかわいい孫もいて、
まわりの人からしあわせものだと思われていました。
都のずっと南の海の見える村におんなの人がいました。
そのおんなは海のそばの小さくて古いそまつな小屋にすんでいました。
六 やまとうみ 終わりのはじまり
いぶきの山でいぶきの笛を吹いてから一年あまりがたちました。
カヨはそのあいだ、とてもいそがしい日々をすごしました。
毎日の仕事と年老いたお父さんやお母さんのびょうきのかんびょうで、
笛を吹くことさえ忘れてしまうほどでした。
そうしているうちに、お父さんが亡くなりました。
おそうしきが終わったあと、
あまりにいそがしい毎日だったので、カヨはとてもつかれていて、
ついウトウトとソファーでうたた寝を
五 やまとうみの笛 空の笛
「やま」と「うみ」
二つのいぶきの笛をもったカヨは、それからもいろんなところへ行って笛を吹きました。
大きな海の海岸で。
ながれる滝のしぶきの前で。
ひこうきに乗って南の島へ行って、森の中でも吹きました。
もちろん、あの神さまがいらっしゃった神社の山の、鏡のような岩の前でも。
そんなことがつづいたあと、またリュウさんがカヨのお寺へ来ました。
その日は新しい年が始まる日で、お祝いにみんなで笛
四 やまとうみの笛 旅する笛
笛のあつまりが終わり、リュウさんがお家に帰ったつぎの日の朝、
カヨはむねのおくがモヤモヤして、何かちゃんとできていないような、そんな気持ちがして目がさめました。
夜中じゅう夢を見るものですから、いつも朝はねむくておふとんの中で長いあいだぼんやりしているカヨでしたが、
その日はいてもたってもいられなくて、すぐにとびおきました。
「あ!いぶきの笛!」
ベッドのまくらの上のたなをふりかえると、土の
三 やまとうみの笛 はじまり
「こんな笛をみんなで吹くあつまりをやりませんか?」
笛ふきのリュウさんが言いました。
「いぶきの笛というのです。」
その笛はリュウさんが土をこねて丸めて焼いて作った笛で、見るとひとつだけ穴が空いています。
「貝がいたところが穴になってできた石笛というのがあるのですが、それと同じような音がするんですよ。」
カヨが住んでいるお寺でリュウさんがいろんな笛を吹いてくださったとき、
その中に、たく
平安京でワンネスを体験する その1
なんとも言えない臭いがしたのはある夜のことだった。
猫の糞尿なのか?はたまた、どこかで生ごみが腐っているのか?
私は鼻をくんくんさせながら、1階の廊下から階段を上がりながら臭いの元を探る。
臭いの発生源は見つからない。
セージのスプレーを振りながら歩いたら、少し消えたが、しばらくするとまたフッと臭う。
「古い汚れた衣のような臭い・・・」
思い当たることがあって、少し嫌な感じがした。
ある人か
こう見えても私、お寺で暮らしています。
私は泉妙院というお寺にいます。
お寺としての肩書きは、全く書かないか、もしくは住職の妻と以前は書いていました。最近になって寺庭という肩書きを使ってみることにしました。寺庭婦人という呼び名があるのですが、以前はなんだか違和感があったのですよね。ずっとお寺に籠っているみたいだし古臭い。でも、大地の再生でお庭を作ってから、「寺の庭って呼び名も何かいいよね!」そう思うようになりました。
お寺にいるの