他人と縁を結ぶということ―里子の健康を守る
2023/7/26:特別養子縁組㉛
はじめに
先週に引き続き里親(養子縁組里親も含む)が里子を養育するにあたって配慮すべき事項について考えていきます。
今日は健康と衛生について…
ここで大切なのはこれは努力義務ではなく、子どもが生きていく環境として当然配慮すべきものであるということ。
前回の投稿にも書きましたが「里子だから~でいい」などのような他者との差別や見下した感覚、里子の命や人権、人生を軽んじているとこれらが軽視されるようになってしまうことも考えられます。
当たり前に実子と変わらぬ命であることを理解し、それが里親の中でも当たり前であることが必要になってくるのではないかと思います。
健康
お腹にいる間から見守ってきた実子と比べて、身体的特徴やアレルギー、成育歴に伴った身体的特徴などを理解しているわけではない。
そこで里親(養親)は、実親のアレルギー歴や出生当時から委託までの病歴など、分かりえる子どもの健康に対する情報を収集し、健康に配慮が必要な子どもなのであれば、その適した対処を身に付けておくことが求められる。
また望まれた形で生まれてきていない場合や育児に充分な手や心が掛けられていない場合、産まれてからの健康的な生活や栄養はもとより、妊娠中も理想的とは言えない生活をしたことで、軽度の発達障害や身体的な事情を抱えて生まれてくることも少なくない。それら事情を了解したうえでの委託受け入れ、養育をすることが必要なのだと考える。
また委託の時点で適切な予防接種や健診を受けられているのかも把握し、委託後に必要な予防接種などが受けられるようにすることも大切である。
衛生管理
子どもの育つ環境の衛生管理、つまり衛生的な環境のもとにのびのびと育つことを保証するということの大切さは言わずもがなであろう。
しかし、もうひとつ欠かしてはいけない「衛生管理」の概念がある。
それが「衛生管理を伝える」ということである。
受託した里子の年齢によっては実親との生活のなかで、里親(養親)が思う「普通」の衛生感覚が備わっていないことがある。里親(養親)との毎日の生活の中で衛生管理の方法や衛生感覚を伝達し、社会に出てからも自身の生活を衛生的なものにしていける力を備えてやることが里親(養親)の、社会の責任なのではないだろうか。
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