子育て知恵袋―今、知って欲しい!災害を経験した子どもの遊びの心理
2024/1/10(水):子育て知恵袋㊸
今日も覗きに来て下さってありがとうございます。
本来「特別養子縁組」について投稿している水曜日ですが、大きな地震があった後なので、今日は誰かの目に届いて欲しい!という思いで少し予定を変更して投稿させてください。
はじめに 災害ごっこに没頭する子ども
今日、お伝えしたいことは、「災害を経験した子どもの遊び」について。
子どもの遊びを見ていると、災害や事故などのショッキングな経験をした後には特徴的な傾向が表れることがあります。
その特徴というのは「災害のごっこ遊び」です。
ショッキングな経験の後の子どもの心理
ブロックで作った家を倒す、誰かが倒れている姿をレゴで表現する…など、傍から見ていると大人でもかなりショックなことを遊びにしている姿を見ることがあるのです。
大人はそのような子どもをみると「不謹慎な!」と怒ってしまったり、問答無用でやめさせてしまったり、時には咎めるようなことになったりします。
でも、この時の子どもの心理を知って下さい。
子どもはこのようなショックな、一度では消化できない経験をもう一度遊びを通じて経験することで、混乱した心の中の整理整頓をしています。
自分が経験したことを俯瞰して見ることで、自分の混乱を治めることを図っているのです。
大人にできること
では、子どもの近くにいる大人はどうすれば良いのか?
①「止めない」「叱らない」
前述したように子どもがショッキングな遊びをする意味は、他人の苦痛を面白がっているわけでも、子どもの心が歪んでしまっているわけでもありません。子ども自身が自らの心を守るための自衛措置であると言えるのです。
だから、どうぞ叱ったり遊びをやめさせたりしないであげてくださいね。
(避難所など、傷ついた他者の目に触れるような場面での遊びの場合は、少し他者の目に触れないように配慮してあげることは大切かも知れませんね)
②「見守り」
まずは子ども自身が没頭している遊びを見守りましょう。
例えば出来事として事実と違っていることがあったとしても、それを正したりすることはせず、子ども自身の心の整理の時間を保証してあげましょう。
③「振り返り」
災害を模倣した遊びをする子どもと関わる時には、どうぞ子どもと一緒にその時のことを振り返ってください。
親自身も怖かったこと、「あなたが一緒にいてくれて心強かった」ということ、「今、あなたが元気でいてくれることが幸せだよ」と、是非本音で伝えてあげてくださいね。
気を付けたいこと
大きな災害や不慮の事故などが起きた時、その被害者や現場が身近であればあるほど、
「こんなに被災した人があるのに、自分は助かってしまった」
「○○さんは亡くなったのに私は生きながらえてしまった」
という、生き残ったことに対する罪悪感のような感情を抱いてしまうことが少なくないといいます。
大人自身も罪悪感をもつ必要はもちろんないのですが、同時にこういった罪悪感を子どもに植え付けないことも大切なこと。
「助かってしまった」「申し訳ない」という言葉ではなく、「あなたがいてくれてよかった」と子ども自身の存在を許容する温かい言葉を我が子に伝えてあげてくださいね。
さいごに
最後まで読んでくださってありがとうございました。
この記事が、一人でも多くの目に届き、子どもの心の救いの一助になれたら…と思っています。
地震の被害にあった方々のもとに、一日でも早く平穏な日々が訪れること、祈念しております。