3分間で人に話せる話|豚丼
友達はお腹がすいていた。
今日は午後から忙しいので早めにお昼ご飯を食べたい。
というわけで、出先のフードコートでご飯を食べることにした。
フードコートにはハンバーガー、うどん、豚丼。。などなど
コロナとはいえ、お昼時なのでそこそこ人はいる。
「今日は豚丼の気分だな」
フードコートには豚丼屋さんがあって、彼はそこに並ぶことに。
メニューの中から豚丼を探して店員さんに言おうとした時に、良く見ると豚丼の名前が「豚野郎」であることに気づいた。
ちょっとユニークな名前だが、注文カウンターの店員さんは女性だ。
今研修中らしく胸のネームプレートには初心者マークがついてる。
なんとなく女性の店員さんに「豚野郎ください」っていうのも引けたので、指をさしながら「コレ(豚野郎)ください」という風に注文をした。
(かわいい友である。)
店員さんは特になにも気にした様子もなく注文が完了したのだが、
「すいません、ただ今コールのための機械が無くって。。」
故障なのかなんなのか、フードコートに良くある、料理が出来上がったらけたたましく叫んで震えるアレがないらしい。
「できあがりましたらお呼びいたしますので、おかけになってお待ちください。」
さっきも確認したがフードコートはお昼時、お客さんがまあまあいる。
嫌な予感がしたので、なるべくなるべくお店から近い席に陣取って料理ができるのを待っていたが
5分後
「豚野郎の方ー!」
「はいっ!」
彼はいっそ元気だった。
*新人バイトさんなので大きな発声だったらしい。
*ご褒美かもしれない。